桜内義之は夢を見た。夢に出てきた人物が誰なのかはわからなかったが、詳しく知ろうとは思わない。なぜなら、義之には他人の夢を強制的に見させられるという能力があるからだ。いつものことだ、と思いながら目覚めた彼は、ゆっくりとベッドから体を起こす。だが、時計を見て危機感を覚え、慌てて登校準備を始めた。そんな彼の部屋へ入ってきたのは、隣の家に住む朝倉由夢。姉の朝倉音姫がすでに家を出ているため、代わりに、料理の腕がそこそこな義之に朝食を作ってほしいという。とはいえ、時間に余裕はない。そこで義之は仕方なく、自分の手から和菓子を出し、由夢に渡した。それもまた、彼に備わっている能力のひとつだった。

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