東日本大震災発生直後の福島浜通り。津波で破壊されたまま、原発事故の避難命令で取り残された漁港の全景を捉えた圧倒的なショットにはじまり、落ち着きのある、しっかりとしたカメラの眼差しは、美しく咲き誇る無人にされた土地と、避難させられた人々、その20km県内のすぐ近くで生き続ける人々に向き合う。ひどく汚染されたことが判明した飯館村では、故郷を離れる時が迫っていた。見える破壊、見えない破壊の光景から浮かび上がる国家、人々、メディア、そして文明のあり方、その様々な矛盾はアルシネ・カーンジャンの朗読するポエティックなテクストと、世界の前衛音楽シーンを牽引してきたベーシストのバール・フィリップスの音楽の深い響きと共に、福島から日本、世界へ続く問題として世界中の観客につきつけられる。

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