蒲郡風太郎(松山ケンイチ)――彼は、幼い頃から貧乏だった。 母親・桃子(奥貫薫)は病弱、父親・健蔵(椎名桔平)は放蕩三昧。教科書代に、給食費すら払えない。学校ではいじめられ、馬鹿にされた。「でも、先生……世の中には、100円のお金もない家もあるんです」母の切ない訴えに、何もできぬ苛立ちを抱える風太郎。そんな窮状の中でも、父親は悪魔だった。働きもせず、そして、暴力の嵐。でも貧しくても正直に一生懸命頑張れば、絶対幸せになれる、との母の教えを信じていた小学5年生の頃の風太郎(齋藤隆成=子役)。しかし、あまりの貧乏生活ゆえ、身体を壊してしまった母は、薬を買うお金さえなく、あっけなく逝ってしまう。「お金がないからおかあさんは死んだんだ……」 数年後、風太郎は、社会の片隅でひっそりと暮らしていた。派遣社員として工場を渡り歩く日々。そこで金に困って苦しむ男・寺田(田口トモロヲ)と出会う。「なんのために生きてるんだろう?」という寺田の問いかけに対し、風太郎はただ黙って不気味な笑みを返すのみ。その目は何を想っているのか…。

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