出演は、テル役に『渚のシンドバッド』(橋口亮輔監督)『スイートリトルライズ』(矢崎仁司監督)の草野康太、ヒロイン・ミオは映画初主演の呂美。俳優としても活躍する福島拓哉が謎の男・キツネ役。監督は、東京のインディペンデントシーンに独自の地位を占める福島拓哉。伝説的な動員記録を残した劇場デビュー作『PRISM』に続く、長編劇映画監督二作目となる本作を自ら率いる制作集団P-kraftとともに作り上げた。混沌と絶望に満ちた終末都市TOKYOを映し出す永野敏の美しい映像と、福島作品をつねに手がけるJun Sekiguchiと、坂本龍一トリビュート参加のUnnecessary Noise Prohibited とのコラボによる退廃と希望が交錯する甘い音楽が、スクリーンに蔓延する。09年東京国際映画祭で絶賛された、愛の拒食症映画。美しかったり醜かったりする世界が存在することも、未来が存在することも、信じられない人たちの、信じがたいほどに美しい物語がいまはじまる。全部忘れた、はずだった。