京都・嵯峨野に工房を構える染織家・志村ふくみ。市井の人々の着物だった紬(つむぎ)織を芸術の域にまで高め、人間国宝に認定された。「植物の命をいただいて色にする」と語る志村は、自然の草木から抽出した色で絹糸を染め、科学染料は一切用いない。88歳になった今も野山に分け入って野草を摘み、新たな色彩を求めて染め場に立ち続ける。染織に生涯をささげ、そしてなお新たな挑戦を続ける「色の匠(たくみ)」の流儀に迫る。