燃費や速度、耐久性で世界ナンバーワンと言われる日本の巨船。重要なカギとなるのが、流線型のフォルムだ。その複雑な曲線を緻密な手仕事で生み出すのが、道ひとすじ半世紀の職人、葛原幸一(69)。火と水の力だけでハガネを曲げる、ぎょう鉄という技を駆使し、ミリ単位の精度で理想へ仕上げていく。その腕は海外の名門造船所でキングと呼ばれるほどだ。1月、職人人生最大の試練に立ち向かった葛原の静かで熱き挑戦に密着した。