“放浪の菓子職人”と言われる男がいる。小幡寿康(72)、自分の店を持たず店から店へと渡り歩いては極上のあんこを炊き、その技一つで、30軒以上の菓子店を再建させてきた。型破りな技で炊かれる小豆本来の香りと味を秘めたあんこは極上、老舗和菓子店の職人ですら、こぞって教えを請う。実は小幡は、かつて皇室御用達の菓子を作る職人だった。その男が、放浪の生き方を選ぶことになった理由とは。武骨な男の技と心に迫る。