紀伊半島に国内屈指の透明度を誇る清流がある。三重県の銚子川だ。この透明度のおかげで独特の生態系が見られる。春、海からやってきたアユやボウズハゼの稚魚は、体を淡水に慣らし遡(そ)上する。上流の沢ではナガレヒキガエルが、川底に何匹も重なり繁殖争いを繰り広げる。そして秋、懸命に産卵し、一生を終えるアユ。その亡骸(なきがら)は他の生きものの糧となっていく。銚子川の清流をめぐる命の営み。その四季を見つめる。