「おにいさまへ・・・」の「第31話 腐った果実」をフル動画で配信中!
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画質についてあらすじ
署名運動に浮き足立つメンバーを横目に悠然と振る舞う蕗子。だがその誇り高き姿とは反対にメンバーたちの不安は募る。ソロリティーの行方を案じたボルジアたちは、蕗子の弱みを握ろうと、彼女が奈々子の入会にあれほど固執した理由を探ろうとする。だが、そんな動きを察知した蕗子は「ソロリティーに腐った果実が混ざっている」とメンバーズに警告を発する。もはや後戻りのできなくなったボルジアたちは、奈々子を呼び出すが……。
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本編
学園祭を訪れた奈々子、智子、マリ子を、武彦と貴が迎える。奈々子と智子を男たちの毒牙から守ろうと意気込むマリ子。だが、人混みで彼女たちとはぐれ、貴とふたりきりになってしまう。徹底した男嫌いのマリ子に手を焼きながらも、ほのかな親愛の情を感じ始める貴。同じ頃、武彦は智子の質問攻めにあっていた。恋のこと、大学のこと……それを見ていた奈々子は、武彦のことを何も知らない自分に不安を感じる……。
自分の誕生日パーティーの準備のために、奈々子とマリ子を別荘に招く蕗子。そこで奈々子は、夜遅く、宮さまが鳴咽を漏らしているのを聞いてしまう。翌日、奈々子は家政婦の峰子から、宮さまが泣いていた「閉じられし部屋」は、彼女が12歳のときの状態がそのまま維持されていると聞かされる。12歳の宮さまに一体何が……?その日、奈々子の眼前で、蕗子は突如、ボートから湖に入水。そして驚愕する奈々子の足下に……。
宮さま18回目のバースデイパーティー当日。ソロリティーメンバーズからは次々と豪華なプレゼントが贈られ、手製のクッキーを持参した奈々子は圧倒されるばかり。宴もたけなわとなり、サン・ジュストはみんなのリクエストで、蕗子が一番好きだと信じていた曲をバイオリンで弾き始める。ところが、その曲を耳にした途端、宮さまの表情は一変、ナイフを片手にサン・ジュストに向かって突進する……。
蕗子の逆鱗に触れた理由が理解できないサン・ジュストは、貴から衝撃の事実を聞かされる。6年前の夏、12歳だった蕗子は、貴と共に別荘に現れた辺見武彦に心を奪われ、パーティーの席で彼のために弾こうと、バイオリンであの曲を一生懸命練習した。ところがその日、武彦は急用で来られなくなってしまう。失意を隠しながら、素晴らしい演奏を聴かせた蕗子は、聴衆のアンコールには応えず、湖に向かっていった……。
蕗子からプライドを奪い去った原因が辺見武彦にあることを知ったサン・ジュストは、武彦のマンションに向かい、彼と対面する。だが蕗子の名誉と誇りを思うと、聞きたいことも聞き出せず、ひとり悩み苦しむのだった。一方、ソロリティーハウスに呼び出された奈々子は、蕗子から時ならぬ愛の告白を受け、動揺を隠せない。だが、そこに飛び込んできたサン・ジュストは、奈々子の前で蕗子の真意を暴露する……。
恋のために誇りを失った蕗子に、耐え難い怒りと悲しみを感じるサン・ジュスト。彼女の心の痛手を和らげようとマンションに向かった奈々子だったが、そこに立ちはだかったのは蕗子その人だった。そう遠くない昔、北の地でふたり、心中を決意した日のことを回想するサン・ジュストと蕗子。そのとき果たすことのできなかった心中を今こそ成就しようと、蕗子は中空に足を踏み出す……。
奈々子と智子に両親が離婚することを告げるマリ子。そのあっさりとした態度の裏に、深い悲しみがあることを察知した奈々子は、何もできないながらも、とりあえず彼女のそばにいてやろうと思うのだった。だが、作家であるマリ子の父の離婚は、ゴシップとして写真雑誌の表紙を飾る。その雑誌をクラスメートに見せびらかしてしまう三咲綾。あまりの仕打ちに逆上したマリ子は我を忘れて……。
事件以来、失踪してしまったマリ子。娘の不祥事が自分たちの離婚にあると、彼女の母は自責の念にさいなまれる。一の宮貴に付き添われて家に戻ったマリ子だったが、そこに自分と母を捨てた父の姿を見て、またしても常軌を逸した行動に出る。愛しているがゆえに傷つき、崩れていく悲しい家族―。翌日、学園では宮さまがマリ子のソロリティー除名処分を発表、だがその決定に毅然と異議を唱える奈々子の姿があった……。
マリ子の事件をきっかけに、奈々子もソロリティーを去った。薫はソロリティー廃止の必要性を痛感し、サン・ジュストに相談を持ちかける。だが彼女は「ソロリティーは蕗子に残されたたったひとつの誇りだ」と激しく動揺する。同じ頃、マリ子は、自分が傷つけてしまった三咲に、自分ととてもよく似た何かを感じ、悔根の涙を流していた。ついに生徒総会の幕が開き、薫は動議を発言。それぞれの思いを胸に、運命の時は容赦なく訪れる……。
ソロリティー廃止の署名運動を始める薫。奈々子は智子も巻き込んで、積極的に署名を集め始める。そして、蕗子の誇りを本当の意味で守るために、サン・ジュストまでもが運動に協力していた。一方、モナリザたちにそそのかされ園部と古田は、署名簿を消却しようとする。自分の為に愚かな行いをするふたりをかばいながらも、激しく揺れ動く三咲の心。同じ頃、マリ子は三咲と自分がライバルになったある事件を、懐かしんでいた……。
署名運動に浮き足立つメンバーを横目に悠然と振る舞う蕗子。だがその誇り高き姿とは反対にメンバーたちの不安は募る。ソロリティーの行方を案じたボルジアたちは、蕗子の弱みを握ろうと、彼女が奈々子の入会にあれほど固執した理由を探ろうとする。だが、そんな動きを察知した蕗子は「ソロリティーに腐った果実が混ざっている」とメンバーズに警告を発する。もはや後戻りのできなくなったボルジアたちは、奈々子を呼び出すが……。
ついにボルジアたち有力メンバーもソロリティーを退会し、廃止運動の署名簿に名を連ねる。完全に孤立した蕗子はサン・ジュストを訪ね、深しふたりで歩いた雪の海岸に想いを馳せる。緊急のお茶会を招集した蕗子だったが、ソロリティーのメンバーはついに誰一人現れなかった。サン・ジュスト、薫、奈々子と智子が固唾」を呑んで成り行きを見守る中、蕗子は威厳に満ちた態度で、自らの「誇り」について、滔々と語り始める……。
署名運動はついに理事会を動かし、1週間以内に緊急会議が開かれることになった。幼い時と変わらぬ誇り高い蕗子の姿を目のあたりにしたサン・ジュストは、久々に心の平穏を手に入れた。ある夜、奈々子を呼び出し、蕗子の秘密を打ち明ける。彼女は、かつて母と共に歩いた海岸に奈々子を連れていくと約束する。喜び約束の場所へ向かう奈々子。だが待ち続ける奈々子の前にサン・ジュストの姿が現れることはなかった……。
あきらめ家路についた奈々子は、駅の改札で思い詰めた様子の智子に出会う。彼女に連れられ訪ねた病院の部屋に横たわるサン・ジュスト……彼女は跨線橋から落ち、帰らぬ人となっていた。誰もが彼女の死の重さを受け止めきれずにいた。そしてその夜、蕗子の元にれいからバラの花束が届く。全ての感謝をこめて…あなただけの妹より…と。一方、奈々子はサン・ジュストが最後に飛翔した場所で、薫と哀しみを分かち合うのだった……。
式の間中、悲しみを耐え、毅然と振る舞う蕗子。その夜、眠れぬ奈々子は、自分でも気がつかぬまま、サン・ジュストの部屋に足を向けていた。その部屋には蕗子も独り訪れていた。かつてサン・ジュストが見たであろう窓の景色を無言で見つめるふたり……。そして蕗子は、奈々子が予期していなかった告白を始めるのだった……。
蕗子の決断でソロリティーは解散した。智子と映画を見に行った帰り、奈々子は、サン・ジュストがこの世に別れを告げた跨線橋の上で、薫が泣きくずれているのを目にしてしまう。病のために余命の知れない薫は、サン・ジュストの死に誰よりも強い衝撃を受け、彷徨っていた。そしてかつて恋人だった辺見武彦との思い出の場所で、彼と再会する。だが、薫は武彦の想いを受け入れることができないでいた……。
奈々子に自分の病の正体とそれゆえに武彦への愛を貫けないことを告白する薫は、奈々子と武彦が本当の兄妹であることを明かしてしまう。時を同じくして、奈々子の父・御苑生教授は、隠していた兄の存在を知らせようと決心し、奈々子を散歩に誘う。父が自分と同じくらい「おにいさま」を愛し続けていたことに安堵した奈々子は、武彦を訪ね、思いのたけを口にする。そして今、13年の時を隔てて、父を息子が相まみえようとしていた……。
ドイツへの留学が決まり、薫に一緒に行こうと説得する武彦。だが、あと5年しか生きられないかもしれない薫は、彼の未来を思うと、その愛を受け入れられないのだった。酩酊し自暴自棄になる武彦の姿を見た奈々子と貴は薫を訪ねるが、薫のかたくなな決意は変わらない。そんなある日、跨線橋に花を供えに来た薫を蕗子が待っていた。蕗子は薫に、精一杯、思うがままに生きてほしい!れいの分まで!と訴えるのだった……。
ついに結婚を決意した武彦と薫。母とマンションを借りたマリ子。そしてサン・ジュストの幻影と恋を語らう蕗子……青春の一ページに区切りをつけ、それぞれが新しい世界への一歩を踏み出そうとしていた。サン・ジュストの背番号をつけて最後の試合を終えた薫は、武彦との挙式に臨み、ふたりはドイツへと旅立っていく。そして……それから二度目の春が訪れ、奈々子の元に武彦からの手紙が届いた……。