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本編

あぜ道のダンディ

あぜ道のダンディ

  • 111分 
  • 2日間 330 pt 〜

北関東、地方都市。 宮田淳一と友人・真田、13歳。自転車であぜ道を走り、時にイジメられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼす・・・・イケテない中学時代。 そして、ふたりは50歳になった。 配送業の宮田淳一(光石 研)には、大学浪人中の俊也(森岡 龍)と高校3年生の桃子(吉永 淳)のふたりの子どもがいる。妻は39歳で他界し、父ひとり子ふたりの生活。子どもたちは父親とはほとんど口をきかない。何とかふたりとコミュニケーションを取ろうとするが、いつも会話はかみ合わない。 自分を競走馬に見立てながら、仕事に向かう宮田。職場では同僚(藤原竜也)に話しかけられても、めったに返事をしないほど無愛想だ。仕事を終えると毎日のように真田(田口トモロヲ)と居酒屋で酒を酌み交わす。飲みながら思い出される妻との思い出、子どもたちと笑いあった時間・・・・年頃の子どもとの付き合い方は難しい。 ある日、宮田は胃に不調を覚える。亡き妻がそうであったように、自分も胃ガンなのだと思い悩む。こんなこと、真田にしか相談できない。子どもたちに弱音など吐くものか。だって俺は「カッコいい男」なのだから。 そんな中、俊也と桃子が大学に合格した。ふたりとも受かったのは東京の私立大学。4月には宮田と一緒に暮らす家を出て、ふたりは東京で新生活を始めることになった。 せめて子どもたちと思い出を残したい。桃子と一緒にプリクラを撮ろうと学校帰りの桃子を真田とともに待ち伏せるが、女子高の校門前でキョロキョロする中年男ふたり、見た目はほぼ変質者。桃子たちを尾行するものの、「一緒にプリクラを撮ろう!」なんて言い出せない。 今度は俊也とゲームで対戦しようと携帯ゲームを購入する。「一応、店員さんに確認しよう」と真田が言っても「それくらいのこと、俺はわかる!」と見栄をはり、適当に買ってしまったゲーム機は俊也の持っているものには対応していなかった。・・・・なかなかうまくいかない。 見かねた真田は俊也を遊園地に誘い、ふたりきりで話をする。「君のお父さんはダンディだよ。見た目はかっこよくないけど、心は渋いんだ。君も男ならわかってやってほしい」。もっともそうに話すが子どもがいない真田はちょっとした「親子ごっこ」を楽しんでいるのだった。 真田に言われるまでもなく、子どもたちも父親の気持ちは分かっていた。それでも、うまくコミュニケーションをとれないのは子どもだって同じなのだ。ま、単に絡みづらいっていうのもあるのだが。 そんなまま、ふたりの子どもたちが東京へ旅立つ日が近づいてくる。 宮田は子どもたちと最期の思い出を作れるのだろうか・・・。