日本でも橋爪功が主演し、大絶賛された舞台の映画化が実現。
主演は『羊たちの沈黙』でアカデミー賞(R)に輝いた、名優アンソニー・ホプキンス。老いによって記憶を失っていく父親を演じ、メディアから「涙が止まらない」と絶賛され、オスカー前哨戦の賞も次々と獲得。そしてついに本作で2度目の栄冠であるアカデミー賞(R)主演男優賞を果たした。父を支える娘には、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞(R)を受賞したオリヴィア・コールマン。父の世話と、自分の人生の間で葛藤する姿をリアルに演じ、深い共感を集めた。
監督は、戯曲を手掛けたフロリアン・ゼレール。認知症の父親の視点で描くという画期的な表現を成し遂げた。何が現実で何が幻想か、観る者は主人公と共に、迷宮のようにスリリングな記憶と時間の混乱を体験し、すべてが明かされた後、冒頭から観直したい衝動に駆られる。
父と娘のやり取りは、切ないけれどおかしく、いらだたしいのにいとおしい。迷い揺れる人間的な登場人物たちに自分自身を見出し、思いがけない結末に激しく心を揺さぶられる感動作。