楚喬伝~いばらに咲く花~
第2話 謀(たばか)りの宴
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画質についてあらすじ
失った記憶の鍵と思われる悪夢を見た小六。目覚めた小六に姉の汁湘(じゅうしょう)は、宇文府(うぶんふ)の恐ろしさを告げる。その数日後、宇文府で燕北(えんほく)の世子(せいし)・燕洵(えん・じゅん)の誕生祝いの宴が行われた。宇文懐は宇文ゲツ(うぶん・げつ)の毒殺を企て、汁湘を使って酒を勧めさせるが、宇文ゲツはこれを拒み、酒を飲もうとしない。業を煮やした宇文懐は、勧める酒が飲めないのであれば汁湘を打ち首にすると言い出す。この言動に怒った小六はついに…。
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謀(たばか)りの宴 / 憎しみの炎 / 夜伽(よとぎ)役選び / 鉄鈴の側女(そばめ) / 処罰と訓練 / 秘められた力 / 首謀者捜し / 奴婢(ぬひ)牢の対決 / 洛河(らく・が)の娘 / 灯籠祭り / 3つの死体 / 燕北(えんほく)を狙う罠 / 燃える想い / 見えない敵 / 新たな任務 / 謎の武器商人 / 信頼と裏切り / 売国の徒 / 皇族の矜持(きょうじ) / 宇文府(うぶんふ)脱出 / 悲しみの氷雪箭(ひょうせつせん) / 囚(とら)われのふたり / 九幽台(きゅうゆうだい)の惨劇 / 遺された命 / 壊れた友情 / 皇帝の疑念 / 公主の毒 / 屈辱に耐えて / 流れる月日 / 愛しき人は、かの岸辺に / 復讐劇の幕開け / 再び青山院(せいざんいん)へ / 女指南役、秀麗(しゅうれい)軍へ / 梁(りょう)国の太子 / 望まぬ結婚 / それぞれの思惑 / 間諜(かんちょう)網殲滅 / 一石二鳥の罠 / 婚礼の日 / 捨てられた者たち / 公主の悲劇 / それぞれの憎しみ / すれ違うふたり / 裏帳簿の行方 / 残された幼子 / 往生営(おうじょうえい)での激闘 / 報われぬ思い / 決戦の時 / 紅川城防衛 / すれ違う心 / 身代わりの死 / 水面下の攻防 / 公主の大逆 / 深まる心の溝 / 明かされる過去 / 断ち切れぬ思い / 氷湖に咲く華 -最終話-
謀(たばか)りの宴 / 憎しみの炎 / 夜伽(よとぎ)役選び / 鉄鈴の側女(そばめ) / 処罰と訓練
秘められた力 / 首謀者捜し / 奴婢(ぬひ)牢の対決 / 洛河(らく・が)の娘 / 灯籠祭り
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水面下の攻防 / 公主の大逆 / 深まる心の溝 / 明かされる過去 / 断ち切れぬ思い / 氷湖に咲く華 -最終話-
本編
中国、西魏(せいぎ)の時代。人間狩り場へ美しい女奴婢(ぬひ)が引き立てられた。彼女は記憶を失っており、そのわずかな断片から荊小六(けい・しょうろく)と名乗るが、その脳裏には彼女を「楚喬(そきょう)」と呼ぶ声が何度も響いていた。狩場へ放たれた小六たち奴婢に、残忍な有力門閥の子弟・宇文懐(うぶん・かい)らの矢が降り注ぎ、狼たちが放たれる。そんな絶望的な状況で小六は、生存を賭けて凄まじい戦闘力を見せる。その頃、都では宇文家の若当主・宇文ゲツ(うぶん・げつ)を女刺客が襲っていた。
失った記憶の鍵と思われる悪夢を見た小六。目覚めた小六に姉の汁湘(じゅうしょう)は、宇文府(うぶんふ)の恐ろしさを告げる。その数日後、宇文府で燕北(えんほく)の世子(せいし)・燕洵(えん・じゅん)の誕生祝いの宴が行われた。宇文懐は宇文ゲツ(うぶん・げつ)の毒殺を企て、汁湘を使って酒を勧めさせるが、宇文ゲツはこれを拒み、酒を飲もうとしない。業を煮やした宇文懐は、勧める酒が飲めないのであれば汁湘を打ち首にすると言い出す。この言動に怒った小六はついに…。
小六(しょうろく)は、濡れ衣を着せられた兄・臨惜(りんせき)の死を目の当たりにし、宇文ゲツ(うぶん・げつ)の冷酷な態度に強い憎しみを覚える。だが、罰を受けて負傷した小六を、妹の小八(しょうはち)は「疫病神」と罵しるのだった。一方、毒殺された宇文灼(うぶん・しゃく)を弔う宇文ゲツの元へ宇文懐(うぶん・かい)が押しかけて真相究明のため遺体の検分を求める。ふたりは激しく争い始めるが、魏貴妃(ぎきひ)が現れて仲裁。青山院(せいざんいん)への出入りを禁じられた宇文懐は不満を募らせ…。
祖父・宇文灼の葬儀を終えた宇文ゲツの元を、宇文席(うぶん・せき)が訪れる。宇文席は自分の息がかかった女を、宇文ゲツの夜伽の相手としてあてがうつもりだったのだ。だが、その真意を見抜いていた宇文ゲツは、上・中等の下女の中から候補を募って、選抜試験をすることを提案。それを知った小六は、宇文ゲツの側に仕えれば兄・臨惜の仇を討つ機会が訪れると考えるが、下等の下女である小六にその資格はなく、門前払いされながらも宇文ゲツの居室の前にただ跪くのだった。
夜伽(よとぎ)役を勝ち取った小六(しょうろく)が、初めての寝所仕えに臨む夜。宇文ゲツ(うぶん・げつ)はひげ剃りを命じて小六を試す。仇討ちを思い止まった小六に、宇文ゲツは星児(せいじ)という名を与え、床を共にするのではなく武芸を仕込み始める。翌日、星児が宇文ゲツと契ったものと思い込んだ上級奴婢(ぬひ)の錦燭(きんしょく)は、嫉妬から星児たち三姉妹に敵意をぶつけるが、星児は覚えたての武芸でこれを難なく制してしまう。一方、宇文ゲツは謎の友・瑜(ゆ)に乱世の苦悩を綴る。
宇文ゲツは罰と称して、星児に様々な訓練を受けさせる。あまりの厳しさに根を上げそうになる星児は、宇文ゲツが何を考えているのか理解できない。しかし、星児の常人離れした上達の速さに、宇文ゲツの親衛隊・月七(げつしち)は不審を抱く。過去にどこかで武芸を習得しているのではないかと疑い、その素性を調べ始めるのだった。星児に興味を示す燕洵(えん・じゅん)が見守る中、宇文ゲツは更なる試練を与える。ある日、ついに星児は処罰の意味を尋ねるのだが…。
魏の皇帝は燕北の定北侯(ていほくこう)に謀反の意思があると疑い、事実を探るため宇文懐(うぶん・かい)に密勅を下す。紅山院(こうさんいん)が実権を握る好機とにらんだ宇文懐は、青山院(せいざんいん)を潰し宇文ゲツ(うぶん・げつ)を亡き者にしようと企て、極秘の暗殺組織「往生営(おうじょうえい)」に接触する。寒疾(かんしつ)を患う宇文ゲツが自室で養生していると紅山院から見舞いの品・雪玉狗(せつぎょくく)が届き、それを手にした星児(せいじ)の体に異変が生じる。さらに、宇文ゲツの部屋には何者かによって毒蛇が放たれ…。
宇文ゲツを毒蛇から守った星児だったが、雪玉狗のせいで瀕死の状態に陥る。診察した医師によれば、過去に封じ込まれた内力が体内で燃え上がり、極寒の内功(ないこう)で抑え込まないと半日で死に至ると言うのだ。宇文ゲツは身の危険を覚悟で星児の命を救うことに成功するが、自身もまた寒毒(かんどく)に冒されて失明してしまう。そんな状況の中、宇文ゲツは、毒蛇を放った首謀者を突き止めるために錦燭(きんしょく)、星児、小七(しょうしち)の3人への尋問を開始する。
宇文ゲツ(うぶん・げつ)に毒蛇を放った犯人として、錦燭(きんしょく)を捕らえさせることに成功した星児(せいじ)。だが自身も宇文懐(うぶん・かい)の罠にはまり、奴婢牢に拘束されてしまう。言葉巧みに錦燭を直接対決の場に引き出させた星児は、宇文ゲツの教え通り、自分の頭脳のみを頼りに錦燭を追い詰めていく。その頃、青山院(せいざんいん)では宇文灼(うぶん・しゃく)が死の床から目を覚ます。宇文灼は、自力で生還できなければ間諜(かんちょう)として用いるまでもないとして、星児の救出を禁じるのだが…。
宇文灼から星児の訓練を許された宇文ゲツだったが、祖父が秘密裏に、ある計画を進めようとしていることを知る由もなかった。訓練が再開され、花園で嗅覚の練習をしていた星児のもとを魏の皇子・元嵩(げん・すう)が訪れる。元嵩は、いつの間にか星児に心引かれていたのだ。だが、星児が嘘をついて元嵩をだます樣子を、燕洵(えん・じゅん)が密かに見つめていた。元嵩と燕洵は、互いに星児を取られまいと、星児を譲るよう宇文ゲツに願い出るが、それに対して宇文ゲツの出した答えは…。
女執事・宋(そう) の殺害発覚を恐れ、宇文府(うぶんふ)からの脱走を決心する星児(せいじ)たち姉妹。小七(しょうしち)と小八(しょうはち)は先に城外の茶店へ向かい、星児は偽造した奴婢(ぬひ)解放証を入手して合流する計画を立てる。しかし、宇文ゲツ(うぶん・げつ)が星児を急に灯籠祭りへ連れていくと言い出し、星児は止むを得ず同行することに。刻々と迫る妹たちとの約束の時間に、星児は焦りを募らせる。ようやく隙を見て宇文ゲツのもとを離れた星児に、ある人物が声をかける。
妹たちを連れて逃げようとした星児だったが、小八が怪我を負った事で宇文府へ戻らざるを得なくなる。何食わぬ顔で宇文ゲツのもとへ戻り、灯籠祭りのあとの行動と帰宅が遅くなった経緯を説明する星児。しかし、宇文ゲツの眼差しは全てを知るかのように鋭かった。その頃、宋を殺した犯人として星児たち姉妹を疑う朱執事たちが、庭の湖の水を抜いて3体の遺体を引き上げる。呼びだした星児たちを遺体の前に連れて行き、真相を問い詰めようとするが…。
宮中から辺境兵力図の極秘情報が流出する。梁(りょう)の間諜が仕組んだ罠とは知らず、皇帝は燕北に謀反の意ありとの疑念を強めていく。諜紙天眼(ちょうしてんがん)を束ねる宇文ゲツ(うぶん・げつ)に、逆臣の名を告げよと迫る皇帝。宇文家と諜紙天眼に対する信頼回復はまだ遠いと悟った宇文灼(うぶん・しゃく)は、梁と内通する者を探し出し、星児(せいじ)に暗殺させるよう宇文ゲツへ命じる。渋ったものの押し切られ、母の死の秘密と交換条件で承諾した宇文ゲツは、星児への訓練を更に厳しくするのだった。
人質になっている燕洵(えん・じゅん)を連れて帰るため、母・白笙(はく・しょう)が長安(ちょうあん)にやってきた。白笙は、自分が代わりの人質になる事で、息子を燕北へ返して欲しいと皇帝に願い出るが、皇帝は公主の裳着(もぎ)の儀式を口実に、ふたりを引き止めるのだった。燕洵は、連れて帰りたい女がいることを母に相談するが、たかが奴婢(ぬひ)である星児のために危険を冒そうとする燕洵に、宇文灼(うぶん・しゃく)は腑抜けだと嘆き、宇文ゲツにも無用な駒は捨てろと指示をする。
宴会に乗じて梁(りょう)の間諜(かんちょう)が紛れ込み、諜紙天眼(ちょうしてんがん)の中枢まで侵入を許したことで宇文灼(うぶん・しゃく)と宇文ゲツ(うぶん・げつ)は焦りを募らせる。状況から見て裏で糸を引くのは宇文席(うぶん・せき)だと推察した宇文ゲツは、逃走した間諜を捕らえるため長安(ちょうあん)の町で徹底的な捜索を始める。一方、燕北(えんほく)へ帰る日が近づいた燕洵(えん・じゅん)は、「一緒に行けば奴婢(ぬひ)の身分を捨てられる」と星児(せいじ)を誘うのだった。
皇帝は、燕洵とその母・白笙(はく・しょう)を都に留めようと画策するが、魏貴妃(ぎきひ)の進言を聞き入れ、白笙のみを燕北へ送り返すことにする。残される燕洵は、軽率な行動は控えるようにとの父への伝言を託し、母を見送るのだった。宇文ゲツの星児に対する感情を心配する宇文灼は、諜者としての星児の実力を試すために梁の間諜の動きを探らせるようにと宇文ゲツへ命じる。宇文ゲツは星児の経験不足を懸念しながらも、新たな任務に送り出すのだが…。
梁(りょう)の公主・蕭玉(しょう・ぎょく)らの罠にはまり、武器商人・左宝倉(さ・ほうそう)の店の地下に閉じ込められた星児(せいじ)と宇文ゲツ(うぶん・げつ)。宇文ゲツは寒疾(かんしつ)の病により、深い眠りに入ってしまう。同じく閉じ込められた左宝倉は、何故か星児の持つ木珠を、江湖の女隠密・洛河(らく・が)のものと看破。星児が記憶を失っている事を知ると、祝由術(しゅくゆじゅつ)ですべて取り戻してやると持ちかける。一方、蕭玉は宇文席(うぶん・せき)に代わる内通者として、宇文懐(うぶん・かい)を取り込んでいく。
傷を負った星児に、宇文ゲツは高価な薬を与え、小八(しょうはち)の顔の傷痕を消す薬まで配下に届けさせた。小七(しょうしち)と小八は、宇文ゲツの洞察力と優しさに驚き、星児も宇文ゲツを慕い始めていく。一方、燕洵(えん・じゅん)の屋敷へ、仲羽(ちゅう・う)という定北侯(ていほくこう)の部下が訪ねて来る。父の燕世城(えん・せいじょう)は、魏(ぎ)の皇帝が燕洵に謀反の罪を着せようとしていることを悟り、長安を脱出しろと燕洵に指示。しかし、燕洵は星児の事を諦められず…。
梁(りょう)の間諜(かんちょう)・蕭玉(しょう・ぎょく)は、宇文ゲツ(うぶん・げつ)による徹底的な捜索の網をかいくぐり、古い陵墓で宇文懐(うぶん・かい)と接触していた。蕭玉は、魏(ぎ)と燕北(えんほく)を仲違いさせて魏を崩壊させるための協力を宇文懐に迫る。躊躇いを見せていた宇文懐だったが、遂にこれを承諾してしまう。一方、自分が捨て駒に過ぎなかったことを知った星児(せいじ)は深く傷つき、宇文席(うぶん・せき)の暗殺を決意して、武器を調達するために再び左宝倉(さ・ほうそう)の前へ姿を見せる。
魏の皇帝は、ついに定北侯(ていほくこう)一家の抹殺を決意する。魏貴妃(ぎきひ)が命乞いをするが、彼女が出来るのはわが子を守ることだけだった。元嵩(げん・すう)と元淳(げん・じゅん)を呼んだ魏貴妃は、皇族としての心得を教えるが、純粋なふたりにはこの状況を理解する事ができない。一方、長安(ちょうあん)からの脱出を図る燕洵(えん・じゅん)は、亥(い)の刻に西門で待つと星児に伝える。だが、星児は復讐のため極楽閣(ごくらくかく)に忍び込むのだった。