あらすじ

水戸黄門にも、人の子の親として、最近気に掛かる風評を耳にする。我が子高松藩主・松平頼常が狂気との噂であるとのことだった。黄門様一行は、米穀商水戸屋一行に姿を変えて、高松へ向かうため、急遽東海道を下る。だが、道中大井川の川止めに引っ掛かり、島田宿に足止めを喰らう一行。逗留する旅籠には、商家の旦那風の男、板前風の男、高松藩江戸屋敷の侍数人が居合わせた。川止めも明け、やがて一行は鈴鹿峠に差し掛かる。屈強な数十人の山賊たちが一行に襲い掛かる。助さんと格さんが手当たり次第に叩き伏せ、ホッとしたのも束の間、他所から黄門様に向かって矢が放たれる。絶体絶命の黄門様…。間一髪、その危機を救ったのは、島田宿で会った商家の旦那風の男が放った短筒だった。黄門様は、この事件の裏には、高松藩お家騒動の容易ならぬ陰謀ありと睨み、我が子頼常狂気の噂が真実の場合には、我が手に掛け、自らも割腹して不明を晴らす決意のもと、高松へ向かって海を渡る。一方、高松城では、城代家老佐伯将監を首領とする陰謀派一派が着々と事を進めていた。そして、一派は、黄門一行の高松入りを全力をあげて阻止しようと図る。ときに、父水戸光圀が高松へ向かっていることを、腰元鞆江から聞かされた狂気のはずの頼常の目に、狂人とは思えない決意の色が浮かんだ。果たして、頼常は狂気ではなかったのだ。頼常は初めて本心を打ち明ける。頼常はお家横領を企む将監一味の悪事を曝くため、わざと狂気を装っていたのだ。そして、影の如く黄門様一行に付きまとい、先般の弓矢の危機の黄門様を救った商家の旦那風の男とは、実は鞆江の父で、高松藩留守居役中川与惣右衛門だった。また、もう一人の謎の板前風の男・伊之吉は、幕府の隠密の変装だったのである。暁の空に総登城を告げる大太鼓。詰めかけた藩士を前に、将監は頼常乱心を理由に押し込め隠居を図ったが、逆に頼常に自分の悪業を曝かれ気も動転し、頼常に斬り掛からんとしたその時、「水戸黄門光圀公のお成りぃ!」との声と共に、伝兵衛、助三郎、格之進を従えて姿を現わした黄門様。頼常乱心、高松藩を乱すは自らの手で斬る!との一声に、鞆江が、高松藩の悪を探るべく乱心を装われただけでございます!との叫び。この叫びを聞き、今はこれまでと開き直った将監は脇差を抜き、黄門一行を公儀の隠密、御家断絶を回避するには、一人残らず斬り捨てい!と宣う。藩士たちは一斉に抜刀して光圀に迫る。忽ち城内は大殺陣。助さん、格さん、幕府隠密の伊之吉も獅子奮迅の大活躍。遂に光圀の一刀が将監を斬る。果たして、高松藩に平和が戻ったのである。

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本編

水戸黄門(1960年)

水戸黄門(1960年)

  • 94分 
  • 2日間 330 pt 〜

元禄四年(1692)、江戸に大火しきり、ために人心とみに乱れ、様々な流言飛言が飛び交っていた。そんな下町の一膳飯屋にいるのは、なんと素性を隠し、大火の原因を探りに来ていた水戸黄門、助三郎、格之進の一行だった。その飯屋で知り合った浪人・井戸甚左衛門が自分の長屋へと案内すると、そこには甚左衛門の友人お村尾が殺されていた。町方に連れ去られる甚左衛門。黄門主従は事件の究明に乗り出すと、そこへ滅法勇み肌の若者が駆けつけ、黄門さまに食って掛かった。この男は町火消しの頭で放れ駒四郎吉という江戸っ子で、甚左衛門の友人であった。四郎吉に甚左衛門の御放免を確約し、翌日、一膳飯屋で待っているとそこに現れたのは、甚左と同じ牢にいたという浪人・大原廉之助やって来て、甚左が立ちまわりで遅くなることを告げた。時に大火による西丸炎上の見舞いの勅使が皇室から使わされることが決まり、江戸城中も揺らいでいた。日夜大火の真相を求めて活動する黄門主従は、放れ駒の四郎吉の協力を求めて、両国橋から行徳河岸にかけて罠を仕掛けようと計画する。黄門さまの思惑通り、その夜大川橋に黒覆面の一団が現れ、火をかけた。四郎吉、甚左の活躍により一人の浪人を追い詰め、逃げ込んだ寺院には、意外にも以前会った大原という浪人が端然と書見していた。結局、浪人を見失ってしまった黄門主従が帰途についていると、刺客の一団に襲われる。彼らは、黄門主従の正体を知っての襲撃だった。かくして、事件の謎はますます深まる。折も折、いよいよ西丸炎上見舞いの勅使柳原大納言資廉が入城する。なんと、勅使柳原大納言資廉とはかの浪人大原廉之助であった。甚左のもとに大原からの手紙が送られてきた。その手紙には、事件の鍵がすか川はうづら橋の袂にある岸屋にあることが記されてあった。材木問屋岸屋は、由比正雪の残党と組み、江戸市中に放火、私利を貪る事件の黒幕だったのだ。一味は優柔不断な態度をとる同志村尾を斬り、そして勅使柳原を一味に引きずり込もうと計画していたのだ。勅使柳原は、逆に一味の動静を黄門さまに報せ、江戸の人心の安泰を願った。そして、決然と一味の本拠地に乗り込んだ黄門さま一行は、烈剣冴え、遂には岸屋一味の陰謀を砕いた。