『THE TUDORS~背徳の王冠~ シーズン4』の動画一覧

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第1話~第10話

全話第1話~第10話

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  • 30日間 1,540 pt 〜

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恵みの雨 / 誘惑の香り / 密会 / 暗転 / 散りゆく花 / 老境の恋 / フランス遠征 / うたかたの勝利 / 誇り高き男 / 命果てるとも

本編

第1話 恵みの雨

第1話 恵みの雨

  • 57分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

クロムウェルが処刑された翌年の一五四〇年夏。ロンドンは雨の降らない記録的な猛暑が続いていた。ヘンリーは非公式でキャサリン・ハワードとの結婚式をすませ、そのあと廷臣達を招いて新妻のお披露目をした。 その席には新任のフランス大使と、三年ぶりにフランスから帰国していたサリー伯爵(ヘンリー・ハワード)も列席していた。彼はノーフォーク公の長男で、古い家柄と王家の血筋を誇り、シーモアのような新興貴族に対する反感を隠さなかった。 王妃になったキャサリンはレディ・メアリーを自室に招いて親しくなろうとするが、素っ気ない反応しか返してもらえなかった。そのキャサリンのもとへ、ランベスの公爵夫人邸にいた頃の友人であるジョーン・ブルマーが侍女にしてくれとやってくる。キャサリンの昔の行状を知っているジョーンはなかば脅すようにして侍女にしてもらう。 その頃、フランスにあるイングランド領地のカレー近辺で、フランス軍との間でいざこざが起きた。急遽、枢密院会議が開かれ、ヘンリーはカレーに軍を進めることを決め、トマス・シーモアとサリー伯を司令官に任命する。この紛争は彼らの渡仏後、一応の終息を見る。 ヘンリーはキャサリンを連れて廷臣サー・ウィリアム・パジェットの荘園に行幸することになった。出立する前、彼は留守を預かるエドワードに、宮殿の改築とロンドン塔に収監されている三人の貴族達の処刑を命じ、さらにキャサリンをエドワード王子とレディ・エリザベスに対面させた。今回はメアリーの時とは違って、対面は和気藹々とすんだ。 王の一行はパジェット邸を訪問、歓迎会が開かれる。長旅で疲れたヘンリーは、その夜、キャサリンの相手ができなかった。一人残されたキャサリンのベッドにジョーンがやってきて、昔話を始める。キャサリンはそんなジョーンに、昔のことは決して誰にも話さないでくれと誓わせる。 王の侍従カルペパーは奔放なキャサリンに魅かれ、すっかりのぼせあがっていた。そして掻き立てられた欲情をしずめるため、パジェット邸に着いた翌日、友人達と遠出をし、たまたま一人でいた森番の妻を強姦してしまう。さらにそのあと抗議に来た夫が代官に訴えるというのを聞き、カルペパーは彼を刺し殺す。 カレーでの任務を終え帰国したサリーはエドワードの妻、アンの部屋に招かれる。サリーはカレーに発つ前、一度アンに会いに来たことがあるのだ。そのときは素っ気ない対応をしたアンだったが、エドワードからサリーのことを聞いて招く気になったのだ。 ヘンリーの行幸中、パジェット邸に顧問官達が召集され、枢密院会議が開かれた。その席でヘンリーは、フランス王から息子アンリとレディ・メアリーの婚約の申し入れがあったが、カレー紛争のあとフランソワを信用していない彼は断ることを告げる。さらに、王妃キャサリンにジェーン前王妃の財産を与えることも宣言する。ヘンリーがキャサリンに完全に骨抜きにされているのは誰の目にも明らかだった。
第2話 誘惑の香り

第2話 誘惑の香り

  • 55分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

国王ヘンリーのキャサリンに対する寵愛は続き、キャサリンはダンスやお洒落に明け暮れる日々を送っている。そうしたダンスの夕べにも宮廷の人々の思惑は様々に絡み合っていた。キャサリンに対する王の侍従カルペパーの思いも募る一方で、キャサリンを内心馬鹿にしている侍女長のレディ・ロッチフォードはそんなカルペパーとキャサリンを複雑な思いで眺めていた。 またサリー伯もダンスの輪の中で、以前彼に対して思わせぶりな素振りを見せていたハートフォード伯エドワード・シーモアの妻アンに言い寄っていた。だがアンはうって変わって素っ気なく彼を拒絶する。怒ったサリーは、たいした家柄でもない女を狙うとは馬鹿なことをしたと捨てぜりふを吐いて去る。シーモア家はオオカミ、サリー伯のハワード家はライオン、と彼はアンに告げ、後日そのことを詩に書いて宮廷の人々に読ませ、意趣返しをした。 王妃や廷臣が遊びに明け暮れている一方で、北方のスコットランドとの雲行きが怪しくなってきていた。スコットランド軍が国境を越えて襲撃を繰り返しているという知らせが入ったのだ。ヘンリーはその侵略を阻止し、スコットランド王と交渉する任務をエドワードに与え、北方に派遣する。 短気で乱暴者という評判のサリーは、ある日町で騒動を起こし、捕まってしまう。彼は肉食を断たねばならない四旬節の期間もおおっぴらに肉を食べていたので、異端者退治の急先鋒であるカトリックのガーディナー司教に異端者ではないかと疑われていた。そこで異端審問を担当する大法官リッチとリズリーは、サリーを"取り調べ"たいとヘンリーに許可を願うが、ヘンリーは釈放を命じる。ノーフォーク公の息子であるサリー伯に対する彼の信頼は厚かった。 クリスマス・シーズンがやってきた。宮廷の祝いにはレディ・メアリーとクレーヴズのアンも招かれていた。離婚後のクレーヴズのアンは王の計らいに満足して穏やかに暮らしており、王の娘達とも親しく行き来している。そんな彼女にヘンリーは好感を抱いたからだ。 やってきたクレーヴズのアンは新王妃にも礼を尽くし、その温かい人柄にキャサリンはほっとする。だがレディ・メアリーの態度は相変わらず冷たかった。腹を立てたキャサリンは、翌日、メアリーの部屋に乗り込んで、その無礼な態度のわけを聞きただすが、二人は言い合いになり、メアリーはキャサリンに、王があなたと結婚したのは男の子が欲しいからだが、あなたはまだその兆しもないようだと痛いところを突く。それに対しキャサリンは、結婚できないオールドミスだからわたしを妬んでいるのだと言い返した。傷つけられたメアリーはすぐに居城のハンズドンに帰る決心をして荷物をまとめる。 新年の祝いが終わった夜、酔ったレディ・ロッチフォードは、カルペパーの気を引こうとして、ジョーンから聞いたキャサリンの秘密、夜毎男が通っていたということを彼に話してしまう。そしてその夜、二人は彼女のベッドで過ごすこととなった。そのとき、ロッチフォードはカルペパーに王妃との逢い引きを手引きしてやってもいいと持ちかける。 ヘンリーの脚の潰瘍が悪化し、命も危ぶまれるほどだった。医師が切開して膿を出し、ようやく危機を脱する。その頃のヘンリーは、クロムウェルを処刑したのは枢密顧問官達の策謀に乗せられたからだということに気づいていた。忠実で有能な腹心を失い政務に疲れ果てているヘンリーは、小康を得ると側近を集め、その不信感をぶちまけるのだった。 病気のためヘンリーは長い間キャサリンのもとを訪れていなかった。いらだつキャサリンはカルペパーにわけを問いつめ、愛人ができたのかと尋ねる。カルペパーはそれには何も答えず、ただ自分は王妃様のためならなんでもすると告げる。 カルペパーが去ったあと、びっくりしているキャサリンに、ジョーンがカルペパーはあなたに恋をしているのだと耳打ちし、キャサリンの心に火をつける。カルペパーとの仲を取り持とうとするロッチフォードがジョーンに言わせたのだ。こうしてロッチフォードとジョーンの手引きにより、とうとうカルペパーは王妃の寝室に忍んでいったのだった。
第3話 密会

第3話 密会

  • 54分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

カルペパーとの戯れで、ヘンリー王が病に伏せっている間の無聊(ぶりょう)を慰めたキャサリン。病が癒えたヘンリーから早く子作りがしたいと言われるが、ロッチフォードの手を借りてカルペパーと密会することをやめられない。一方ヘンリーはクレーヴズのアンの館を訪れ、見違えるようにさばけて明るくなった彼女の優しく温かいもてなしに感激。かつてあれほどアンを忌み嫌って捨てたことに、ふと罪悪感と後悔をおぼえる。 王妃の縁者ということで、名誉あるガーター騎士団に入団を許されたサリー伯爵。エドワードは内心の憤懣を抑えて入団式を執り行うが、何かとシーモア家を侮辱するサリーへの怒りは募るばかり。妻アンはそんな夫に、サリーの転落を画策しろとけしかける。彼女もまた今までの経緯から、サリーを激しく憎んでいたのだ。折しもガーディナー司教経由で、サリーが入団式直後に下町の酒場で下卑(げび)た振る舞いに及んでいたとの報告を受け、好機到来の予感にほくそえむエドワード。 ヘンリーは懸案の北部巡幸およびスコットランドとの紛争解決のため、大車輪で準備を進めさせる。巡幸はかつて反乱が起きた地域を王がじきじきに訪れ、威厳と寛容を示して、民の反抗を封じようという重要計画だった。その会議中に駆け込んできたキャサリンに「妊娠したようだ」と告げられ、大喜びするヘンリー。しかし結局その妊娠は間違いだった。落胆したヘンリーは再びクレーヴズのアンを訪れ、ぬくもりを求めて彼女とベッドを共にする。一方ヘンリーの怒りを買ったキャサリンも、心のよりどころを失い、ますますカルペパーとの危険な火遊びにのめり込んでいく。 ヘンリーは幼い王子エドワードをレディ・ブライアンとエドワード・シーモアに託し、大規模な行列を組んで北部各地への巡幸に出発する。キャサリンは民に絶大な人気を誇るメアリーが同行してきたことに憤慨するが、ヘンリーの不興を買うのが怖くて文句が言えない。実際、メアリーは巡幸先の各地でヘンリーに劣らぬほどの歓声を浴びる。 リンカンの町に到着した一行は、地元の館に投宿。ヘンリーはキャサリンへの怒りを解き、また寝床を共にすることを考え始める。しかしそのキャサリンはヘンリーが眠るのを待ちかねて、再びロッチフォードやジョーンに協力させ、深夜の厠でカルペパーと許されぬ愛欲をむさぼるのだった…。
第4話 暗転

第4話 暗転

  • 51分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

ヘンリー王の一行は、かつての反乱「恩寵の巡礼」の本拠地のひとつであるポンテフラクト城に到着した。今回の巡幸は、北部地方の王権支配を確かなものにすることと、ヨークでスコットランドと和平条約を結ぶことが目的だった。城ではかつての反乱の指導者の一人であり、捕らえられ、忠誠の誓いをして転向したエレカーが砦を預かる城主として王の一行を迎えた。 ヘンリーは巡幸の道々、土地の有力者から先の反乱の謝罪を受けてきた。ポンテフラクト城にも謝罪の人々が訪れた。フランスと神聖ローマ帝国、そしてイングランドの三角関係は相変わらず付いたり離れたりの不安定なものだったが、北部の恭順を受けて気分の良いヘンリーは、巡幸に随行してきたフランス大使にイングランドが一枚岩であることを誇り、フランスを牽制する。 しかし随行してきたブランドンにとって、この城は苦い思い出と結びついた場所だった。罪悪感から逃れられないブランドンは、自分が欺いたかつての城主ダーシー卿の亡霊と出会う。 一方、巡幸に加わっていたキャサリンは、北部で人気のあるメアリーがカトリック的な挨拶で人々を喜ばせているときに朝寝坊をするなど相変わらずだった。しかもカルペパーに心を奪われた彼女にとってヘンリーはもううとましいだけで、ポンテフラクト城でもカルペパーと密会を重ねる。 だがその城に、キャサリンのかつての恋人、フランシス・デーラムが突然訪れ、王妃付きとして雇ってくれと彼女に迫る。困惑したキャサリンだが、脅されてやむなく彼を自分の秘書として雇う。デーラムが来たことでキャサリンはカルペパーといったんは諍いを起こすが、もはや彼女はカルペパーなしではいられず、巡幸の次の訪問先ヨークでも密会を重ね、関係に溺れていくのだった。 デーラムはおもしろくない。ほかの家臣達の前でキャサリンに対して無礼で馴れ馴れしい態度をとり、侍従のフェルにたしなめられる。だが彼はキャサリンと肉体関係があったことまで匂わせ、全く態度を改めなかった。 ヨークでのヘンリー達の宿舎は宗教改革で解体された修道院跡だった。ここでスコットランド王でありヘンリーの甥でもあるジェームズを迎え、和平条約を結ぶことになっていた。しかし準備万端整えて待っていたヘンリーの元に届いたのは、ジェームズがとんぼ返りをして帰国してしまったことと、それどころか、スコットランド軍がイングランドの村や人々を襲っているという知らせだった。怒り心頭のヘンリーは、トマス・シーモアに報復を命じる。 そこへまた使者が到着し、ウィンザー城にいるエドワード王子が病気だという知らせをもたらす。ヘンリーは急遽、ロンドンにとって返すが、幸いエドワードの病気は回復し、大事にはいたらなかった。 喜んだヘンリーは、王子の回復と、キャサリンのような完璧な妻を得たこととを合わせて神に感謝するために、ミサを執り行った。だが、礼拝堂にガーディナー司教の読み上げるヘンリーの感謝の言葉が響く中、何者かによって書かれた告発状がそっと王のそばに置かれる。
第5話 散りゆく花

第5話 散りゆく花

  • 55分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

匿名で届けられた告発状は、キャサリンが結婚前に送っていた無軌道な生活を赤裸々に暴露するものだった。おそらくデッチ上げの中傷だろうと考えつつも、念のためと調査を命じるヘンリー。「元愛人」のデーラムを逮捕させ、キャサリンには調査終了までの蟄居を命じる。浮気がバレたのかと怯えて、何も手につかなくなるキャサリンとロッチフォード。一方、命令を受けてデーラムやジョーンの尋問を開始したシーモア兄弟とリッチは、告発が事実だったことを悟って愕然となる。 拷問を受けたデーラムは、独身時代のキャサリンと肉体関係があったことを自白。しかし結婚後の密通はあくまで否定する。キャサリンは処女でないことを隠して結婚した罪で王妃の称号を剥奪され、修道院預かりの身に。ヘンリーは怒りつつも、結婚の無効と追放のみで彼女を許そうと考える。しかし度重なる拷問に耐えかねたデーラムが、ついにキャサリンとカルペパーの関係を自供。身近において可愛がっていた侍従が自分を裏切っていたと知り、ヘンリーはショックと怒りを抑えられなくなる。また真実が明らかになるに従って、ひそかに次の王座を狙うメアリーとチャプイスや、かつてキャサリンを王妃に推挙したエドワードなど、様々な人々の野望や保身の思惑が複雑に絡み合う。 恋の戯れは認めたものの、肉体関係は否定するキャサリンとカルペパー。しかし2人を取り持った容疑で投獄されたロッチフォードがすべて白状してしまい、キャサリン直筆の熱烈な恋文も発見されたため、不義密通の事実は疑いないものとなる。ヘンリーはデーラムとカルペパーの処刑を命じ、恐怖から正気を失い本来死刑を免ぜられるはずのロッチフォードにも、法を改正してまで処刑せよと厳命する。 カルペパーは斬首され、デーラムは最も残酷な処刑方法で苦痛にのたうち回りながら死んでいく。キャサリンも姦通罪で死罪と決まった。またしても結婚に失敗した痛みを忘れようと、女たちとの宴にのめり込むヘンリー。そして処刑当日、まず公開の処刑場でロッチフォードが斬首される。キャサリンは恐怖におののきながらも懸命に自らを律し、カルペパーの妻として死にたいと言い放つ。処刑人の斧一閃、こうしてヘンリー8世の5人目の妻も処刑台の露と消えたのだった…。
第6話 老境の恋

第6話 老境の恋

  • 50分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

ハンズドン館では、ヘンリー8世の娘メアリーと腹違いの妹エリザベスに、うれしい知らせが舞い込んでいた。前王妃キャサリン・ハワードの処刑後、議会の法律によって王位継承権が戻ってくることになったのだ。ただしエリザベスは処刑されたキャサリンを見て結婚に幻滅し、一生独身でいることを誓う。 ヘンリーのもとには神聖ローマ帝国の大使チャプイスが現れ、フランスと交戦中のローマ皇帝が、イングランドと手を組みフランスに対抗したい旨を申し出ていた。フランス大使も参上し、これまでのフランスとの友好関係を崩さないようヘンリーを説得するが、ヘンリーは皇帝と協定を結びフランスに攻め入ることを選択する。 ヘンリーは一方、スコットランドに対して侵略を続ける。気の荒いサリー伯爵が乱闘騒ぎで逮捕されるも、釈放してエドワード・シーモアとともにスコットランドへ送り、ソルウェイ湿原の戦いで勝利を収めさせた。スコットランド王の突然の死去と、誕生した世継ぎが女児であったことで、スコットランド支配への絶好のチャンスが訪れたヘンリーは、幼い息子エドワード王子とスコットランド王女との縁談を進めさせる。 トマス・シーモアはラティマー卿の妻キャサリン・パーと不倫関係にあった。病気で余命いくばくもないラティマー卿が以前北部での反乱にかかわったことによる大逆罪を恐れていたため、ヘンリーに嘆願すべくトマスの手引きでキャサリンが宮廷に参じる。ヘンリーはトマスとキャサリンの関係にすぐ勘付いたが、優美で大人なキャサリンに惚れ込んでしまい、ドレスや宝石など贈り物を送り始めた。ラティマー卿やトマスもそれを知ることとなり、2人の男は落胆する。 イングランドがカトリックを擁護する帝国と結託したことで、ガーディナー司教はルター派をはじめとする異端者を一掃することにした。王宮内に異端の巣窟があるとし、聖歌隊の一員を捕らえて尋問する。実はガーディナーが暴きだしたかった人物はエドワード・シーモアだったのだが、その名前を聞き出すことは難しかった。 キャサリンを食事に招いたヘンリーは、カードに勝ったほうびとして大きな指輪をキャサリンに贈る。受け取らざるを得なかったキャサリンの前で、ヘンリーはトマスに、大使としてネーデルラントに駐在するよう命じた。キャサリンは愛する恋人と離れることになり、ラティマー卿にも恨みがましく先立たれてしまう。そして邪魔者を追い払ったヘンリーは、ついにキャサリンに結婚を申し込んだのだった。
第7話 フランス遠征

第7話 フランス遠征

  • 54分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

皇帝とフランス侵攻に乗り出す決意を固めたヘンリー8世は、手始めにブーローニュを攻略することにした。総司令官にブランドンを、ついでトマス・シーモアを海軍提督、サリーを陸軍元帥に任命する。スペインから皇帝特使のナヘラ公爵が宮廷を訪れ、対仏同盟が結ばれた。 ヘンリーはキャサリン・パーと結婚した。6人目の妻である。キャサリンは教養のある知的で優しい女性であった。病人の看護にも慣れていた彼女は、脚の潰瘍の悪化に苦しむヘンリーを献身的に看護する。また、王のその子供達の仲も気に掛け、親子がもっと頻繁に会えるよう心を砕く。 ヘンリーは出陣前に、エドワード王子についでメアリーとエリザベスも王位につく資格を得た新しい王位継承法が議会を通過するよう準備を整えた。また、留守中、国を預かる摂政にキャサリンを任命する。顧問団は驚くが、中でもガーディナー司教はおもしろくない。彼は王妃を異端者(隠れプロテスタント)と疑っていて、いつかそれを暴いてやろうと虎視眈々と狙っていた。 ヘンリーの率いる軍はイングランドを出発し、ブーローニュに迫ってそこで戦闘を開始した。ブランドンの古き良き時代の騎士の戦いではなく、大砲と銃を使った砲撃戦だ。ブーローニュは堅固な城壁で囲まれていたが、ヘンリー達は難なくここを落とせると楽観していた。 宮殿にいる王妃キャサリンは、王妃と王妃付きの家臣達のための私設司祭にヒュー・ラティマーを任命する。ラティマーはもともとはウースターの司教だったが、数年前、ヘンリーの信仰6箇条に反対したため司教の座を追われていた人物だった。もちろんこの人事は危険なものだったが、聖書の英語訳を広めたい(ヘンリーは英訳聖書をいったんは認めたが、このころはほとんど禁止していた)と考える改革派の彼女は、同じ考えのラティマーを招いたのである。そしてそのことはすぐにガーディナーの耳にも達した。 ブーローニュでは悪天候が続き、最初の楽観とは裏腹に城はなかなか陥落しなかった。ヘンリーに雇われているイタリア人の画家で軍事工学の技師ジローラモ・トレヴィソの進言で、城の下までトンネルを掘り、爆弾を仕掛ける作戦に乗り出す。 ある日、城からフランス兵の一隊が抜け出したという報を受け、サリーとブランドンが追撃に向かい、森で遭遇、白兵戦となる。そのときブランドン達は隊長のルスローとその娘ブリジットを捕虜にした。 期日を急かせるヘンリーの焦りにもかかわらず、トンネル掘りは遅々として進まない。悪天候と不衛生という劣悪な環境の中で、疲弊した兵士達の間で赤痢が発生、次々と兵士達の命が奪われていった。
第8話 うたかたの勝利

第8話 うたかたの勝利

  • 50分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

ヘンリー8世率いるイングランド軍はフランスへ侵攻しブーローニュの町を包囲していたが、兵士たちの間に赤痢が蔓延して死亡者が続出したため兵力が急激に落ちてしまっていた。イタリア人工学技師ジローラモ・トレヴィソの案でブーローニュの城壁の真下に向けて掘っていたトンネルは未だ完成せず、兵士のハーストたちが身を粉にして掘削作業を進めていた。ヘンリーは思うように進まない作戦に焦りの色を隠せず、苛立ちが募る。そうしているうち、同盟を結んだ神聖ローマ皇帝軍のほうは包囲していた2つの砦を占拠してしまった。 イングランドの王宮では、ヘンリーの留守を預かるキャサリン・パー王妃が摂政として国事を執っていた。キャサリンの手腕は各方面から評され、またエドワード王子を王宮に呼び寄せてメアリー王女やエリザベス王女とともに責任を持って教育する。ただし一方で、ガーディナーやメアリーからは異端(隠れプロテスタント)ではないかとの疑いを持たれていた。 戦地にいるブランドンは、捕虜にしたフランス人父娘のうち、父親だけは解放し、娘のブリジットはそばに置いたままにする。そのうちお互いの間に惹かれあう気持ちが生まれ、2人の体は結ばれた。 城壁の下へと続くトンネルはとうとう完成。トレヴィソとハーストは爆弾の導火線に火をつけて出口へと走る。途中でトンネルが崩れトレヴィソが生き埋めになるが、作戦通り爆弾によって巨大な城砦は崩れ落ちた。兵士たちは歓声を上げて城内へとなだれ込み、ヘンリーの顔にも笑みがこぼれる。こうしてイングランド軍はブーローニュの町を陥落させたのだった。 勝利を手にしたヘンリーだったが、兵力の激減を理由に当初の目的であるパリへは侵攻せずイングランドへ戻ることを決める。軍事に多額の費用がかかったため国の財政も困難を極めていた。宮廷に戻ったヘンリー一行は大喝采を浴びるが、その後まもなく同盟国だったはずの皇帝はフランスと単独講和を結ぶことが決まり、皇帝との架け橋であった大使のチャプイスは患っていた痛風が悪化して国に帰ることとなる。さらにはフランス軍がブーローニュに侵攻しようとしているとの報告が入った。歴史に残るはずのこの大勝利がつかの間の喜びとなりそうな予感を抱きながらも、それを断ち切るようにヘンリーは国中でこの偉業を祝おうとするのだった。
第9話 誇り高き男

第9話 誇り高き男

  • 58分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

一五四五年、フランスとの戦争はまだ続いていた。めっきり衰えたヘンリーのもとに、ブーローニュで国王代理を務めていたサリーがサンテティエンヌで無謀な戦闘を試み、大敗を喫したという知らせが届く。ヘンリーは枢密院にその審問を命じ、サリーを帰国させて、エドワード・シーモアをその後任に命じる。 枢密院で行われた審問で、サリーは戦争に関する報告は誤りで、すべて誤解であると主張する。しかし、ヘンリーによって新しく大法官に任じられたリズリーが議長を務める審問は、サリーに敵対する勢力の主導で決定的に不利であった。サリーは公職から追われ、それまでの称号もすべて剥奪される。 権力抗争が顕在化するいっぽうで、ガーディナー司教らの異端者狩りもやむことはなかった。キャサリンを隠れプロテスタントと睨んで、いつか彼女を抹殺しようと狙っていた彼の一派は、チャプイスの帰国と死で孤独を深めているメアリーも心理的に巻き込み、しだいに王妃キャサリンにその手を伸ばしていった。 そのひとつが、異端的な説教(化体説を否定)を行っている詩人で宮廷にも出入りしているアン・アスキューの逮捕である。彼女は拷問にかけられ、宮廷にいる同志達の名前を明かすよう迫られる。女性を拷問するのは違法だったが、異端者は悪魔であり、悪魔に男も女もないと、ヘンリーはそれを許したのだ。 そのヘンリーはその年の一二月に議会で演説を行う。宗教界の分裂を戒め、愛を説いた演説だった。 フランスとの和平がなった。すでにイングランドの情況は、フランスが大軍を集結させる、皇帝がイングランドを裏切る、膨大な戦費をまかなうため借金はかさむ、疫病が流行…と悪くなる一方だった。八年後にブーローニュをフランスに返還、代わりに大金が支払われるという講和の条件は、ヘンリーにとって悪くないものだった。 ガーディナーの異端者狩りの輪はしだいに狭まり、王妃の妹アンや侍女達にまで手が及ぶ。しかし証拠となる品を処分してしまったので、アンは辛くも難を逃れる。 アスキューは拷問にも口を割らないまま火刑に処せられた。拷問で四肢の関節が外れて歩けない彼女は、椅子に乗せられ刑場に運ばれた。友人のアン・シーモアは役人に頼んで彼女の首に火薬の袋を下げさせる。苦しみを少しでも早く終わらせるためだ。 ヘンリーの健康状態は日に日に悪くなり、王子の成人までもたないだろうと見られていた。幼君を後見する摂政となれば大きな権力が手に入る。サリーは王子を取り巻いているシーモア派を実力で排除し実権を握ろうと企むが、決行の前に逮捕される。サリーが、王が亡くなったら王子を補佐するのは自分だと言ったことや、懺悔王エドワード(11世紀に在位)の紋章を不正使用したことが、王位簒奪を目論んでいる証拠だと見られたためである。ロンドン塔に捕らえられていた間に脱獄を試みたが失敗。これも裁判で有罪の証拠とされる。 裁判では、サリーはその紋章は彼の祖先が懺悔王から使用を許されたものであり、それゆえ彼にはそれを身につける権利があると主張した。この事実は周知のことであったが、そもそも裁判ははじめから結論ありきだった。ハートフォード伯エドワードらの一派が彼を排するための裁判だったのだ。 そのために、エドワードはサリーを愛し重用していたヘンリーの耳にもサリーに不利な話を吹き込み、王の気持ちを冷めさせていた。王の愛と後ろ盾を失ったサリーに勝ち目はない。彼は有罪となる。 ヘンリーはキャサリンと穏やかな結婚生活を送っていた。健康状態の優れない夫の気を紛らわすため、キャサリンはしばしばヘンリーと宗教談義をして、それが論争に及び、異端的なことばを口にしてしまうこともあった。ガーディナーはヘンリーがそんな教養のある知的な妻に辟易しているチャンスをとらえ、これに近づく。そして、王妃の考えは異端であり、彼女を逮捕するための法的な準備が必要だとヘンリーを説得した。
第10話 命果てるとも

第10話 命果てるとも

  • 57分 字幕/吹替 
  • 2日間 220 pt 〜

ここ数年、戦争状態だったフランスとの講和がなることになり、フランスから海軍提督のダンボールが協定締結のために宮廷にやってきた。ヘンリーの健康状態が思わしくなく、その名代を王子は立派に務めた。 ヘンリーは病気がちでめっきり老け込み、誰の目にももう長くは持たないことは明らかだった。それとともに、次の王位を継承する幼い王子を誰が後見するかで、宮廷内の勢力争いは熾烈を極めていく。その対立はガーディナー司教が率いるカトリック対プロテスタントの宗教対立と密接に絡み合っていた。 ガーディナーは王子の周りを取り囲むプロテスタント一派を一掃するため、王妃キャサリンの逮捕状をしたため、従僕に命じてそれをリズリーに届けさせる。しかし従僕はそれをこっそり王妃の元に届けさせてしまう。それを見たキャサリンは事態が切迫していることを知り、手を打つ。 まず一芝居うってヘンリーから「お前に対し悪感情を抱いてはいない」という言質を取った上で、異端の証拠として没収されないよう、手元にある書物を全て捨てさせ、宗教に関する話は一切しないよう侍女達に命じた。 ガーディナーはハートフォード卿エドワード・シーモアの妻アンも逮捕すべく、部屋に呼びつけるが、アンはガーディナーが修道院解体の時期のどさくさにまぎれ、修道院の財産を着服した不正の事実をつきつけて脅し、逮捕を免れる。さらに王妃キャサリンも次なる手を打つ。ヘンリーが自分に対して抱いているであろう疑いを払拭するために、直接ヘンリーに訴えたのである。彼に宗教的な議論を挑んだのは、病気や脚の痛みに苦しむヘンリーの気分を紛らわすためだった、異端的な考えを口にしたのはヘンリーから正しい教えを聞きたかったからだと、女であることを逆手にとって掻きくどき、従順な妻・臣下の役を演じる。これは功を奏し、ヘンリーは納得する。そのため、そのあと逮捕状を執行しに来たリズリーを、ヘンリーは激昂して追い払ってしまう。こうして王妃の逮捕も失敗した。 一方、王子の摂政問題を巡る争いで、いくらでも援軍の欲しいエドワード・シーモアは、味方になってもらおうと病中のブランドンを訪ねる。しかし、宮廷内の暗闘にうんざりしているブランドンは争いに巻き込まれることを拒絶する。 この後見問題をめぐり、枢密院の会議でエドワードとガーディナーが対立した。ガーディナーはエドワード・シーモアが王子を支配し王権を牛耳ろうとしているとヘンリーに訴えに行くが、時すでに遅く、ヘンリーの気持ちはすっかりガーディナーから離れていた。接見を拒まれただけでなく、宮廷への出入りも禁じられる。失脚したのだ。それを見ていたリズリーは変わり身はやく、エドワードにすり寄るのだった。 ブランドンの病気は重くなっていた。それを知ったヘンリーは会いたいと彼を呼び出す。熱を押して伺候したブランドンに、ヘンリーは王である自分には病気を治す力もあると言って彼を跪かせるが、結局、ブランドンは死んでしまう。ヘンリーは長い間苦楽を共にしたたった一人の友を失ったのだ。 心の弱っているヘンリーの前に、昔の妻達の亡霊が現れる。彼の後悔の念が見せた幻なのか、妻達は娘達への仕打ち、王子の育て方などでヘンリーを責めるのだった。 自らの病気の感染を恐れたヘンリーは、家族を宮廷から出すことに決め、別れを告げる。しかし、その期に及んでも、ヘンリーが娘達にかけた言葉は息子エドワードに対する気がかりだけだった。 ヘンリーは画家のホルバインに自らの肖像画の制作を命じていたが、ホルバインが老いたヘンリーのありのままの姿を描くと、描き直しを命じる。ヘンリーにとって自分はあくまでも若々しく雄々しいイングランド国王でなければならないのだ。肖像画は描き直され、ヘンリーはそれに満足し、それから間もなく没した。ハートフォード卿を幼王の摂政、護国卿と定め、亡骸は3番目の妻ジェーン・シーモアの傍らに埋葬することが遺言だった。

『THE TUDORS~背徳の王冠~』シリーズ

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