『バジリスク ~桜花忍法帖~』の動画一覧
本編
時は寛永、太平の世。“慈尊院村”で腕を磨く忍び達の中に交じる、異彩を放つ少年と少女。甲賀八郎、伊賀響――実の兄妹にして契りを結ぶことを宿命づけられた若き棟梁達――響はその事実を受け入れているようだが、八郎は…。
賊に襲われた徳川忠長は精鋭“甲賀五宝連”に救われる。が、そこに棟梁である八郎の姿はない。八郎は村を密かに出て行こうとしていた。八郎と響の、お互いの瞳術が交錯することで生じた“何か”が再び発現するのを恐れて…。
突如現れた“成尋衆”なる者達の一人、孔雀啄。その人智を超えた絶技に蹂躙されていく甲賀五宝連の面々。最後に残された老獪なる甲賀忍者、七斗鯨飲は一計を案じ、死中に活路を見出さんとする。
精鋭“伊賀五花撰”の面々までもが、成尋衆によって軽々と葬られていく。忠長のもとには首魁“成尋”が現れ、時空を超越した“金剛楼閣”なる空間へと忠長をいざなう。そこで忠長は、家光と過ごした幼き日の記憶を見せられ…。
村を襲撃する成尋衆。二人の“血”を守るため、八郎と響をかくまいつつ応戦する若き忍び達だが、歯が立つはずもなく…。危機に駆けつけた八郎と響、二人の感情が高ぶったとき、それは起こってしまう――“桜花”が――
時は過ぎ――転寝、才蔵、式部、七弦、滑婆、蓮、涙、現、そして響――新五宝連、新五花撰となった若き忍びたちは成尋衆の再来に備え、それぞれの思いを胸に修行に励む。だがしかし、そこに八郎の姿はない…。
成尋衆と家光とのつながりを疑った滑婆は江戸城へと潜入、そこで意外な人物と出会う。一方、謀反の罪で蟄居となった忠長と邂逅する八郎。そこで、成尋衆をとりまく事態が終息していないどころか、風雲急を告げていると知った八郎は――
突如現れた巨大城郭“叢雲”。涙と現は密かに偵察を試み、叢雲へと近づく。一方、忠長の依頼を拒んだ八郎は、忠長の手勢と一戦交えることとなる。そこへ馳せ参じる新五宝連の面々。再会を喜ぶ五宝連に、八郎は…。
叢雲の守りは予想以上に堅く、敵勢をなんとかかいくぐり離脱する涙と現。傷ついた体を川で洗い流し、秘密の約束を交わす二人。涙と現の命がけの情報をもとに、才蔵は自らの眼を叢雲へ飛ばす。そこで眼が捉えた信じられぬ光景とは――
成尋の目的は織田上総介信長の復活、乱世の再来…そう聞いた滑婆は、かつて経験した凄惨な戦火での出来事を思い出す――悲嘆の念とともに。一方、叢雲討伐に乗り出した紀州藩は砲撃を開始せんとする。が、その時――
転寝が立てた叢雲爆破作戦の決行前、式部の命綱“犀防具”が不具合を起こす。犀防具の修繕中、成尋の手の者に強襲を掛けられ、洞窟に閉じ込められる式部と蓮。そこで、独り歩んできた自らの道を吐露する式部。
叢雲爆破作戦の実行中、足を撃たれてしまう七弦。廃屋に隠れ、涙に手当てを受ける七弦だが、傷は浅くない。熱にうなされながら、七弦は夢を見る。遠い昔の、優しかった母との旅路の夢を。
才蔵と行動を共にする現。才蔵の眼と現の幻術、二つの忍法を組み合わせ、敵襲を葬っていく二人。現の幻術を目の当たりにした才蔵だが、彼は知らない――現が“なぜ”地獄を見せられるようになったのかを――
作戦遂行を孔雀によって阻まれる才蔵達。逆転の一手、その機会を伺う才蔵だが…。一方、作戦の最中、再び相見える八郎と成尋。苦戦を強いられる八郎の危機に響が駆けつけた時、二人に向かって放たれる叢雲の砲弾――
叢雲は消失した。平穏を得たはずの面々だが、成尋衆が滅した保証はなく、どこか落ち着かない様子。眼を覚ました響は、八郎がすでにどこかへ出立したことを知り、寂しげに笑う。が、ある晩、響の部屋に八郎が密かに戻ってきて――
捕らわれた響。ついに姿を現した機動城郭となった叢雲。新五宝連の集結を待たずに叢雲へ侵入せんとする新五花撰達に、転寝はあるものを渡す。叢雲の機動停止に苦心する滑婆の前に皮膚坊が現れ、合力を申し出るが…。
響が捕らわれの身であることを成尋衆の一人、夜叉至から聞かされる八郎。一方、涙は現にある事実を打ち明ける。今だからこそ告げたいのだ、と言う涙。彼女の幼少期の経験が、今でなくては、そう思わせたのだった…。
皮膚坊の説得により、忠長の謀反への決心は再び揺らぐ。そんな忠長に成尋が告げる痛恨の事実…。一方、成尋衆の一人、涅哩底王に苦戦を強いられる八郎達。絶体絶命の状況で聞こえてくるこの駆動音は――
一人、叢雲へと招き入れられる八郎。残る者達はどこかにあるはずの侵入口を必死に探す。その最中、夜叉の術に掛けられてしまった才蔵は、絶望に満ちた過去を無理やりに思い出させられながら、自らの腹に刀を突き立てる…。
自らを“朧”だと信じ込んでいる響は、八郎を“弦之介”だと認識、愛憎を持って迫りゆく。一方、叢雲へ侵入した現達だが、罠によって式部の身動きが取れなくなってしまう。なんとか式部を救おうとする蓮だが――
- 『桜花忍法帖~バジリスク新章』 山田正紀/講談社タイガ
原作
(C) 山田風太郎・せがわまさき・山田正紀・講談社/桜花忍法帖製作委員会