嵐を呼ぶ友情

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嵐を呼ぶ友情

全国映画ファンの万雷の拍手に迎えられて、ここに待望の日活三悪(小林旭、川地民夫、沢本忠雄)主演の「嵐を呼ぶ友情は、一九五九年の初春の陽光を浴びて、堂々登場することになった。この映画…

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本編

嵐を呼ぶ友情

嵐を呼ぶ友情

  • 95分 
  • 3日間 330 pt 〜

淡いレインポーカラーに色彩られた銀座の土曜日の夜は、青春の吐息と声の坩堝である。 此処、モダンジャズの根拠地,シャズボート"は、野球の長嶋、相撲の若乃花と並んで今日ハイティーンの人気者「岡辺、川添とレッド・ブルー」の出演でったがえしていた。 このコンビはいずれ劣らぬモダン感覚派のトランペッターで、既成バンドにないボリュームを持ち、かっての名トランペッター旗孝一郎の薫陶を受けていた。その旗は現在では落砲して場末のアルサロでトランペットを吹いていたが、そのデキシースタイルの音色だけは、冴えと威厳を保っていた。この老いたる楽士の心をたすけるのは、師匠思いの岡辺、川添と、旗と一緒に暮している千秋だった。千秋は表面、旗の娘ということになっているが、実は、旗の一人息子で、今では,流しの旭。と仇名のある暴れ者にグレてしまった花の許婚者であった。このことを知らぬ岡辺と川添は、持前のオールベターションを発揮して千秋に胸ときめかせていた。 ある日、ナイトクラフ「金馬車」の踊り子マリアの楽屋で岡辺・川添の二人は旗の息子とは知らず”流しの旭"と喧嘩してしまったが、その後族の口から「何聞かないでくれ、恥をいうようだが、『流しの旭』はわしの息子なんだ」と聞かされ二人はガクゼンとなった。 翌日、二人は千秋の口から思いかけぬ事を聞かされた、「私は旗さんの本当のメじゃないの、稔さんの許婚者なんです。」明朗闊達な青年だけに、岡辺と川添は仲よく千秋をアキラめ今度は、又二人仲よく「金馬車」の踊り子マリ子の所に出かけて求愛するのだった。所がマリ子のベットから抜け出した男が、「流しの旭」なので、また一悶着、おまけに、実の親を罵倒する応の言葉に岡辺と川添のカンシャクが破裂した。しかし稔の涙ながらに語る昔話はまたまた思いよらぬうだった。 「あの頃はまだオヤジも若かった。素晴らしい音色だった。トランペットに励む俺の技俑も上った、しかし音楽教師の巨氏から小さい時の助膜が災いし、大成するには肺活量が足らないということ聞かされたんだ。俺にとっては死刑の宣告みたいなのだった。打明けるにはあんまりオヤジの期待が大きすぎたんだ。処が巨先生がポックリ死ぬと遂に親父が俺の教育にのり出してきた。俺はこんなに俺を苦しめる親父が憎かった。親父も自分の夢を満たしてくれない俺が憎かったんだろう。そしてこのザマよ……」語り終った花の幅は、澄んでいた。マリ子も泣いた。岡辺川添】照れ臭そうに涙を上衣のソテでぬぐった。 稔の真情を知った岡辺と川添は千秋にこのこと語った。千秋はすぐさまマリア会ったが、マリ子の稔への激しい愛に、自分が稔の許姉である事を打明け得ず味と云っただけで、情然とアパートに帰った。しかし千秋にとってもっと悲しいことが待っていた。旗の眼が見えなくなって来たことであった。 岡辺と川添は、恩師のために~)、干秋のために応を更生させようと快気の心が動くのだった。 その旗は眼が見える中に一月と花の恋人であるマリ子訪れた。しかしマリ子も稔の真情を親父に語った。 マリ子は、水商売にありがちな欲得づくな女ではなかった。むしろ岡辺と川添ともに稔の更生を願っていた。そして稔のために身を退くことを決意した、マリ子は岡辺、川添と相談して涙をのんで愛想づかしの芝居打つのだった。 「流し風情と何時まで一粒にいられると思うの、口惜しかったら引っとレッキとした仕事やってごらんよ」 やがて岡辺と川添の友情に励まされ二人のバンド「レッド&ブルー」に入りペットの代りに、ジャズギターを弾き、作曲の勉強する稔の姿が見られるようになった。稔の荒んだ心に、次第に少年の昔の無心な夢が甦えった。 ……そして後の血のにじむような修練に栄光の女神も微笑み始めた。「"レッド&ブルー”解散、新たに旗稔を加えてフレンドシップ・オブ・ジャズ結成!」 新聞の芸能欄大々的に岡辺、川添に稔を加えた新バンドの発に報じた。新バンドの前人気高く、音楽評論家はもとよい、大衆この嵐を呼ぶ友情の誕生に拍手を惜しまなかった。 そして遂に、新バンド発表会の日が来た。大ホールの片隅には涙をぬぐって俺の成功を喜ぶマリ子の姿、静かな倖せを心にかみしめるようにみつめる可憐な千秋の姿があった。そして岡辺、川添、稔の三人にかかえられるようにして舞台に上った老楽七殊菜一郎は静かに口開いた。 「皆さん、私の眼はもうすっかり見えなくなりました。私のいつ、誇りに思っている二人の弟子の友情のお蔭で晴れのデビューをした息子の姿もボーッとかすんでおります。しかし今にきっとこの二人の 友情がお互いに競合い新しいジャズの向上に尽してくれる事でしょう。どうぞ古いのと新しいものの交流をお聞き下さい。」 やがて恭孝一郎と二人の弟子の吹く三本のペットと穏の弾くギターの競演。聴衆はこの感動的な光景に万雷の拍手を送る。旗の顔にも、稔の顔にも岡辺、川添の頬に幾筋の涙が流れていった.........。 青春の歌声は若く燃えあがっていく......

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