覗かれた情事

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覗かれた情事

”事実は小説よりも奇なり”。人妻の浮気、売春行為は、年々増えつつある。高名な小説家夫人の再度の”万引き”事件は最近の新聞雑誌を賑わせたばかりである。 微妙な女体の作用は、当人にも、…

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本編

覗かれた情事

覗かれた情事

  • 73分 
  • 3日間 440 pt 〜

夏子は、好色文学で有名な萬木澄人の妻である。彼女は夫の小説を読んだことはないので、夫がどんなことを書いているのか知らない。結婚のときの条件の一つに”僕の小説を読まないこと”があったからだ……。 作家活動の邪魔になっては……という彼女の心使いは、作家の妻として当然のことと割りきっていた夏子は、いまだに、夫の作品を読んだことはなかった。 そんなある日、友人の三宅待子と逢った夏子は、彼女から一冊の本を手渡される。夫が書いた新刊本「肉体の盛装」で、澄人のサインが欲しいというのだった。 待子は、夫の本を読んだこともない、という夏子に驚き、いたずら心から、本の内容を教える。それによると、作家と妻の異常なセックスが描かれているというのだ。 家に帰った夏子は待子に頼まれた本を夫の前に突き出す。 「こんないやらしいのはやめて、もっと感動的なものを書いて下さい!立派な小説を!私が、そんな女のようで、もう表も歩けませんわよ!!」 妻の言葉に、澄人はうんざりする。夏子の不機嫌は数日間続いた。ある日、漫然とレコード店へ入った夏子は、そこでレコードを万引した若い男を発見する。男は時折り夫のもとへ原稿を見せにくる作家志望の石母田章だった。突嗟のことで呆然としている彼女は、そんな彼を突き出す気にもなれなかった。 なんとなく一緒に店を出た夏子に、石母田はそっと囁いた。 「奥さん、よかったら付き合ってください。黙っていてくれたお礼に、僕が奢りますよ」 彼の言葉に興味を覚えた夏子は、石母田とスナックへ遊びに行く。若い男たちの体臭がムンムンする店内は、変に彼女の官能をくすぐる。酔が彼女を大胆にさせたのか。夏子は店を出ると、石母田と衣料店へ入った。 小説の女主人公が、万引きするくだりを実行してみようというのだ。

『ロマンポルノ』シリーズ