気鋭の映画スタジオ・A24が北米配給権獲得
世界中の映画祭で話題を呼んだ、全編ワンショットの英国発ゴシップ・ミステリー
噂が疑惑を呼び、疑惑が衝突を招いて、秘密の人間関係をあぶりだす……。
美容業界のヘアコンテストを舞台に描く、ワンショット映画史に残る英国発ゴシップ・ミステリー『メドゥーサ デラックス』が、いよいよ日本解禁となる。本作は、『ミッドサマー』『ラム/LAMB』『ライトハウス』など数々の名作・意欲作を世に送り出し、映画ファンから絶大な支持を得ている気鋭の製作・配給会社「A24」が北米配給権を獲得。シッチェス・カタロニア国際映画祭やサンパウロ国際映画祭では最優秀作品賞にノミネートされるなど、世界の映画祭で話題をさらってきた。
年に一度開催されるヘアコンテスト。その当日に起こったスター美容師の変死事件
ライバル美容師や関係者による噂と疑念があらわにする真実とは…?
物語の舞台は年に一度のヘアコンテスト。開催直前、優勝候補と目されていたスター美容師のモスカが変死を遂げた。担当のモデルが席を外したわずか数分のうちに、奇妙にも頭皮を切り取られた姿で発見されたのだ。会場に集まっていたのは、今年こそ優勝すると誓ってコンテストの準備を進めていたライバルの美容師3人と、それぞれが担当するモデルたち4人。さらにコンテストの主催者やモスカの恋人、不気味な警備員を巻き込みながら、事件や人間関係に関する噂をひそひそと囁きはじめる。「私たちの中に殺人鬼が潜んでいるのかも」「モスカは報いを受けるべきだった」「彼女はコンテストに勝つため不正を働いている」「あなたが殺したの?」
やがて暴かれるのは、美容師同士のプライドと対立、優勝への執着、無意識の差別、互いへの不信、そして隠されていた真の人間関係だ。その日、コンテストの裏側で何が起きたのか。なぜモスカは死ななければならなかったのか。モスカを憎んでいたのは誰なのか。観客は事件を捜査する探偵さながら、一同の噂話に耳を傾けることになる。
アカデミー賞候補の撮影監督が魅せる「キャリア史上最高の仕事」
新たな才能のもとに豪華スタッフ陣が集結
世界で絶賛されたワンショット撮影を務めたのは、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞候補となった撮影監督ロビー・ライアン。ケン・ローチ、ヨルゴス・ランティモス、ノア・バームバック、マイク・ミルズら名監督の信頼を受け、近年は『カモン カモン』『マリッジ・ストーリー』も記憶に新しい名手が、キャリア史上最高といわれる仕事で、瞬きさえ出来ないほどの美しさと緊張感を達成した。
劇中のヘアスタイルは、レディ・ガガのヘアメイクなどをはじめ、“ヘア界で最も独創的なスタイリストの一人”と称されるユージン・スレイマン。シャネル、ルイ・ヴィトン、イッセイ ミヤケ、Kenzoなどのランウェイヘアや、エルメス、カルバン・クライン、バレンシアガ、山本耀司らとのコラボレーションを務めた重鎮が、17 世紀後半にフランス上流階級で流行した「コワフュール・ア・ラ・フォンタンジュ」など圧巻のヘアメイクを手がけた。
そして監督・脚本は、『少年は残酷な弓を射る』『ビューティフル・デイ』のリン・ラムジーに才能を高く評価された新鋭トーマス・ハーディマン。長編初監督ながら、時に洒脱でオフビート、時にはクエンティン・タランティーノを彷彿とさせる猥雑&ナンセンスな会話の応酬を、スタイリッシュかつ肝の据わった演出力で具現化した。さらに“エレクトロニック音楽界の天才”と呼ばれるコアレスの音楽が、変死事件の謎をより加速させる。
ここに名探偵や名刑事はいない。物語の主人公と呼べる存在もいない。カメラはギリシャ神話に登場するメドゥーサの蛇のごとく、コンテスト会場の廊下をうねりながら進み、部屋から部屋を渡り歩いて、関係者たちの間に広がる混乱と真相を映し出していく。果たして、めくるめく噂とゴシップの先に見える風景とは?新感覚、英国発のワンショット・ミステリーが誕生した。