藍より青し～縁～

あれから1年…。相変わらず桜庭館ではにぎやかで楽しい共同生活が続いていた。薫と葵の仲も皆には秘密のまま…。そんなある朝、ちかは以前から葵たちに聞いてみたかった質問を口にする。「お姉ちゃんたちってさ、お兄ちゃんのこと好きなの?」ちかの無邪気な質問に、葵やティナたちはドギマギして…。

• 第弐話 友垣～ともがき～
• 第参話 庭球～ていきゅう～
• 第四話 怪～もののけ～
• 第五話 洋琴～ようきん～
• 第六話 道程～どうてい～
• 第七話 避暑～ひしょ～
• 第八話 水魚～すいぎょ～
• 第九話 白妙～しろたえ～
• 第拾話 湯帷子～ゆかたびら～
• 第拾壱話 月光～げっこう～
• 第拾弐話 絆～きずな～

勉強や部活の水泳部と張り切って高校生活を送っているちか。同じクラスで水泳部も一緒の小宮夏樹と相澤千鶴が一番仲のよい友達だ。そんなある日、ちかは生徒手帳に挟んでいた薫とのツーショット写真を二人に見られて、薫がちかの彼氏だと勘違いされてしまう。桜庭館にちかと薫が一緒に住んでいると知った二人は…。

"自分と葵が結婚し、二人だけの甘い新婚生活を送っている"そんな幸せな夢から目覚めた朝、なぜか薫は葵を押し倒していた! よいムードにドキドキする二人だったが、隣の部屋からティナや妙子の声が聞こえてきて、照れた葵は部屋を出て行ってしまう。そんなある日、ちかが学校の球技大会でテニスをやることになり…。

ある晩、桜庭館のリビングで酔い潰れて眠っていたティナは、不思議な物音を聞いて目を覚ました。天井裏から聞こえてくる謎の音…。この音は一体…? すっかりオバケだと思い込んだティナは大パニックに! そこでオカルト大好きの妙子が意を決して立ち上がる。そして、庭館の住人全員でオバケ退治をすることになるが…。

母親から贈られたワンピースを着て薫と出かけたい繭は、「明日、繭とデートしてください!」と薫にお願いする。どこか嬉しそうな繭の姿に、断ることができない薫。翌日、ワンピースを着ておしゃれをした繭と薫は、デートに出かける。そして、二人は薫が好きだというボーリングやゲームセンターに向かうが…。

課題のレポートを期日までに仕上げなくては夏休みはないと教授に言われた薫。締め切りが明日に迫るが、ティナたちの"○○を一緒にやって"攻撃に負けて、レポートが半分しか進んでおらず、薫は徹夜で頑張ることに。そして、薫が無事にレポートを提出した夜、桜庭館で「レポート完成記念ぱあてぃ!」が開かれて…。

ティナの提案で旅行に出かけることになった桜庭館一行は、ペンションへと向かった。そして、河原でバーベキューの準備を始めていると、偶然、避暑にきていた繭と出会う。かくして、繭も加わりバーベキュー、そして宴会と盛り上がり、始まった"王様ゲーム"。そこで、"王様"から葵にある指令が出されるが…。

地区対抗の水泳大会のリレーに出場することになり、練習に励むちか、夏樹、千鶴の三人。しかし、あまり泳げなかった千鶴はどんよりと暗い。翌日から千鶴の特訓を始めるちかと夏樹だったが、泳げるのと教えるのではかってが違い、千鶴を上手く指導することができない。そんな時、ティナがコーチをかって出て…。

デートを満喫していた薫と葵。そして、たまたま見かけた結婚式に、二人は自分たちの未来を重ね合わせる。夜になり、海沿いのベンチに座り、ソフトクリームを分け合って食べる二人。そんな二人の前を小さな男の子と女の子が通りすぎて行く。仲よく手を繋いだ子供たちの姿に、薫は幼い頃の自分と葵のことを思い出し…。

スパリゾートに遊びにきた桜庭館一行と繭、そして夏樹と千鶴は、温泉を満喫していた。女性陣と一緒に温泉に入れない薫は、貸し切りにできる露天風呂を見つけ、一人別行動。だが、薫がその露天風呂で寛いでいると、人の声が! 誰もいないと勘違いしたティナと葵が入ってきたのだ。薫は出るに出られず、岩陰に隠れるが…。

年末にアメリカに帰省するティナは、葵や薫たちの写真を撮りまくっていた。そして夕方、薫とスーパーへ買い物に出かけたティナは、帰りに近くの河原へと薫を誘う。だが、淋しくなった時にココにきていたからあまりいい想い出がないと言うティナに、いつもと違うものを感じた薫は「…何かあったのか?」と尋ねるが…。

月日は流れ、3月。大学の卒業式が間近に迫っても、未だにティナはアメリカから戻ってこない…。皆それぞれが不安に思いながらも、ティナの帰りを待ち続けるのだった…。