若き日に家を捨て親兄弟を捨て、歌の師である与謝野寛と結ばれた晶子。そして大正12年。晶子は39歳になり今では11人の子持ちの主婦。そうしたある日、晶子は作家の有島武郎と出会い、胸のときめきを覚えざるを得なかった。が、それにつけても不安なのは、いつも有島の周辺にいる女性編集者・波多野秋子の存在。晶子は、その秋子から有島が近頃、生への意欲を失い、いっそ命がけの恋でもして、その熱い歓びの中で死んでしまいたい、などと洩らしていることを聞かされ、強い衝撃を覚えるのだった。その有島は、病妻に先立たれて間もなかった...。