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本編

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

  • 118分 
  • 2日間 330 pt 〜

「来週は素面で家族と会うのです」と言いながらウォッカを飲み、血を吐いて気絶した戦場カメラマンの塚原安行。母・弘子は慌てつつも、慣れた様子で救急車を呼び、救急隊員に掛かり付けの病院を伝えている。その場に駆け込んできた、売れっ子漫画家の園田由紀が、「大丈夫、まだ死なないよ」と安行の頬をさすった。ふたりは結婚し、子供にも恵まれたが、安行のアルコール依存症が原因で離婚し、今は別々に暮らしている。安行は病院に運ばれ、そのまま3ヶ月の入院になった。それは10回目の吐血だった。 知り合いの医師を訪れ、アルコール依存症について尋ねる由紀。医者は身を乗り出し「ほかの病気と決定的に違う一番の特徴……それは、ほかの病気と違い、世の中の誰もほんとうには同情してくれないことです。場合によっては医者さえも」と言った。その言葉は由紀の胸に深く突き刺ささる。 退院後、抗酒剤を服用し禁酒している安行は、穏やかな日々を過ごしていた。そんな時に、一人でふらっと入った寿司屋で出された奈良漬け。「酒じゃないから大丈夫か」とパクリ……。数分後、安行はコンビニの酒棚に直行していた。気がつくと、酔っ払って転倒し頭から血が流れていた。「ああ……奈良漬け……」意識がかすんでいく。 後日、タクシーに乗りある場所に到着した安行と弘子。驚いている安行をその場に残し、「ここは精神病院。あなたは入院するんです」と言って弘子は足早に中へと入ってゆく。嫌々ながら入院したアルコール病棟だったが、ここでの風変わりだけど憎めない入院患者たちとの生活や、個性的な医者との会話は不思議な安堵感を与えてくれた。 体力も心も回復に向かっているかに見えた安行だったが、その体にはもうひとつの大きな病気をかかえていた……。 自分の弱さと向き合うことで、やっと見つけた、どん底での希望。それは、信頼の絆で結ばれた家族のもとに、“心の居場所(うち)”に帰ることだった。家族が一緒に生きる意味を、私たちに教えてくれる感動作がここに完成しました。