『波打際のむろみさん』の動画一覧
本編
暇さえあればいつも釣りをしている高校生の向島拓朗。ある日、竿に強い当たりを感じた彼が勢い良く釣り上げたのは、なんと人魚のむろみさんだった! 勝手に釣りの餌を食べちゃったり、オヤジギャグを言ってきたり……。ちょっぴり困った人魚だけど、どこか憎めないむろみさん。かくして拓朗とむろみさんは友だちになった。
いつもの防波堤で釣りをしている拓朗のもとに、むろみさんがやってきた。彼女は拓朗に「ケータイ持ってる?」と聞いてくる。拓朗がケータイを貸してあげると、むろみさんは自分の貝殻型ケータイを取り出し、赤外線通信で拓朗のケータイにアドレスを送信!? あっけにとられる拓朗に、「メールちょうだいね!」とむろみさんは誘ってくるが……。
釣りをしている拓朗のところに、むろみさんの妹だというひいちゃんがやってきた。ひいちゃんは拓朗に、むろみさんがイルカたちと仲良くできるように協力して欲しいとお願いする。実は、過去にイルカたちの祖先にこっぴどく振られてしまったトラウマから、むろみさんは水棲哺乳類が大嫌いになっていたのだ。
今日も防波堤で釣りをしている拓朗。すると全身がモコモコした子供が現れて、拓朗に話しかけてきた。変わった言動のその子に戸惑う拓朗だったが、どうやら拓朗がいつも同じ場所で釣りをしていることから、むろみさんと友人たちに待ち合わせの目印として利用されているらしい。そこに、むろみさんがとぼけながらやってきた。
トビウオの群れに混じって友だちと滑空競争をしていたむろみさんは、一番遠くまで飛ぶことができてご機嫌。すると、巨乳の人魚・富士さんに「むろみさんの抵抗の少ない身体なら記録が伸びて当然」と嫌味を言われてしまう。落ちこんだむろみさんが拓朗に、「女の子の胸は大きいのと小さいのどっちが好き?」と聞くのだが……。
ある日、釣りをしていた拓朗は、リュウグウノツカイを釣り上げた。かつて竜宮城で働いていたリュウグウノツカイは、竜宮城が崩壊して以来、ずっと失業しているらしい。むろみさんに斡旋してもらった仕事も長続きしないリュウグウノツカイに、働き口がほしいと言われた拓朗は、一芸に秀でていれば就職できるかもとアドバイスをする。
川釣りの最中に河童の皿を釣り上げた拓朗。すると、河童の格好をしたむろみさんがやってきた。「何してるの?」と呆れる拓朗だが、彼女は川上に住む友人に会ってきたのだという。風邪気味のむろみさんは、風邪予防のマスクをつけ、おみやげを入れるためのリュックを担いでいただけなのだが、それが拓朗には河童の姿をしているように見えたのだ。そのとき、拓朗たちの前に巨大な河童が現われた。
ツチノコの宝満さんと木の実や果物を食べていたむろみさん。彼女は、最近拓朗が冷たくなったと宝満さんに相談していた。すると、経験豊富な宝満さんは、拓朗に日頃の感謝を込め、何かプレゼントをしてはどうかと提案してきた。何を渡そうか思案するが、なかなか思い浮かばないむろみさんに宝満さんがなにやら耳打ちをして……。
むろみさんの持っている貝殻型コンパクトが気になってしょうがない拓朗。むろみさんのコンパクトは貝殻より大きい櫛が入ったりする不思議なアイテムなのだ。コンパクトを調べたい拓朗が一策を講じてむろみさんからコンパクトを奪い取ると、なんと中身はただのボイルされたホタテだった。聞けば、むろみさんたちが持っている不思議な小物を作っている人がいるのだという。
マレーシアの砂浜を散歩していた少女・シエルは、二日酔いで浜に打ち上げられたむろみさんを発見する。シエルは親切心からむろみさんを介抱してあげたところ、お礼にウロコをもらう。しばらくして、またむろみさんに会いたいと思いながら砂浜を歩いていたシエルは、今度は二日酔いで打ち上げられた人魚の隅田さんを発見する。
燦々と照りつける太陽の下、アイスの屋台を発見した拓朗。彼が屋台に立ち寄ると、アイスを売っていたのは竜宮城の乙姫だった。拓朗は、乙姫が崩壊した龍宮城を再建するため、そして地上を制する第一歩として、釣具屋でアルバイトをしているのを知っていた。彼女は恥ずがしがりながら、副業でアイスの売り子をしているのだと答える。
お祭りの夜、地元で開催された花火大会の花火を眺めていたむろみさん、ひいちゃん、富士さんの人魚たちは夜空に散る大輪の花を望みながら、思い思いの恋のかたちを語っていた。憧れていたむろみさんに密かな恋心を抱く富士さんは、その思いをむろみさんに感づかれてしまい、必死に隠し通そうとするが……。
学校から配られた進路調査票を手に拓朗は、自分が将来、何をしたいのか決められず迷っていた。と、そこにやってきたむろみさん。思案顔の拓朗に「悩み事があるなら相談して」と言ってくれるが、拓朗は「人魚にはわからないよ」と跳ね除けてしまう。それでもなお、「楽しいことしようよ」とむろみさんは拓朗を海に引っ張り込んで……。
(C)名島啓二・講談社/波打際のむろみさん製作委員会