フィンランドを代表する建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルト。色褪せない名作の誕生を陰で支えたのは、最初の妻アイノだったー。
本作は、偉大な建築家・デザイナーである、アルヴァ・アアルトの人生と彼の作品を巡るドキュメンタリーである。
そして、アルヴァと同じく建築家であった最初の妻アイノとの愛の物語を描いた、初めての作品と言える。
フィンランドの街なかに溶け込む美しい建築物の数々、ロシアの図書館、M I T の学生寮、フランス人画商ルイ・カレの邸宅―。
アアルトが世界を股にかけながらアイディアを形にしていく過程を、まるでその場に居合わせたかのように観客に示していく。
同時に、映画はアアルト自身の濃密な人生をも映し出す。
ハンガリー出身の芸術家でありバウハウスで教鞭をとっていたモホイ=ナジ・ラースローとの交流、妻アイノの早すぎる死、そして新たな出会い。近代建築の大きな流れと一人の人間としての生き様を織り交ぜながら、これまで語られることのなかった建築家の真の姿を描き出す。アルヴァとアイノの間で交わされた親密な手紙のやり取りも胸を打つ。
自然と人間を愛し、ほとばしる情熱を共有しながら確固たる信念を持って生きた二人の姿は、観る者の心にいつまでも残り続けるに違いない。