「ここまで描くの!?」 実際の業界人も笑う、裏話連発。
発案者・チャーリーxcxが、自身の体験から着想を得て描くリアリティショー。
大胆で媚びない。チャーリーxcxのスタイルは、クラブミュージックにロックやヒップホップを取り入れた楽曲で知られ、生意気な歌詞とファッションは、世界中のZ世代やクリエイターから圧倒的な人気を得ている。時代のムードを形にしたアルバム『BRAT(ブラット)』が爆発的にヒットし、“ブラット・サマー”という新たなトレンドを巻き起こすと、ライムグリーンに「brat」とだけ書かれたビジュアルは、全米を埋め尽くした。アメリカ大統領選挙時は、チャーリーの「カマラ・ハリスはBRATだ」というXへの投稿が万バズし、社会現象に。収録曲「360」や「Apple」は異例の配信数を誇り、“Apple dance”の振付動画はTikTokを席巻。音楽シーンに留まらず、映画では『バービー』(23)、『嵐が丘』(26)への楽曲提供を経て、その存在は“カルチャー・アイコン”へと昇華した。
物語は、アルバム『BRAT(ブラット)』の大ヒットから数ヶ月後―――という設定で始まる。
「ブラットの流行を、来年まで長引かせるためには?」「スターの賞味期限を延ばすには?」
音楽レーベルからの圧力や、マネージャーの曖昧な対応、休憩中に捻じ込まれるSNSのコメント収録、ライブの演出家からは「ティンカーベルのような衣装を着て、天井から登場しよう」「派手に点火しよう」と提案を受け “ベタなスターの型”に押し込められそうになるエピソード等、スターを取り巻くストレスが洗いざらい描かれ、「ここまで描いてしまうの⁉」と実際の業界人を笑わせる程の裏話が連発される。
また、「クールにきめたい」と言いながらも意志がブレ続ける大スター(主人公)を、チャーリーxcx自身が演じることで、リアルとフィクションの境目を曖昧にしていく、斬新な作りとなっている。主人公の心をかき乱す“エンタメ業界のヴィラン”には、『センチメンタル・バリュー』で父親役を演じたステラン・スカルスガルドの長男、アレクサンダー・スカルスガルド、『グラン・ブルー』『パルプ・フィクション』のロザンナ・アークエット、ティモシー・シャラメとの関係に注目が集まる実業家でタレントのカイリー・ジェンナーらが名を連ね、どのキャラクターも毎度最悪のシチュエーションで登場する。
“新しい自分”として生まれ変わるために、“これまでの自分”を壊さなければならないこともある。
本作は発案者チャーリーxcxの覚悟そのものであり、彼女らしい刺激的なやり方で、爆発的ヒットを飛ばした「ブラット」の流行に、自ら終止符を打つ。