1936年、イギリス。不倫で離婚したネヴィルは再婚後、叔母の屋敷でハネムーンを過ごすが、そこには前妻も滞在していた。過去の因縁を抱えた人々が集まる中、嫉妬と嘘が渦巻き、やがて殺人へと至る“ゼロ時間”が訪れる。
ミステリーの女王アガサ・クリスティーが描く、極上の心理サスペンス。1936年、イギリス。花形テニスプレーヤーのネヴィル・ストレンジは、不倫を理由に妻オードリーから離婚訴訟を起こされる。有名人夫婦の離婚劇は世間の大きな注目を集めるが、最終的にはネヴィルが自身の不貞を認め、離婚が成立した。
その後ネヴィルは不倫相手のケイ・エリオットと再婚し、ガルズ・ポイントにある叔母レディ・トレシリアンの屋敷でハネムーンを過ごすことになる。ところが屋敷には前妻オードリーも滞在することになり、彼女への未練を残すネヴィルと、現在の妻ケイとの間には、微妙な緊張が漂う。
さらに、かつてレディ・トレシリアンによって国外追放された甥トマス・ロイドが、文通相手であり彼女の付添人でもあるメアリーの助けを得て屋敷へ戻ってきたことで、空気はいっそう不穏さを増していく。
嫉妬、偽り、憎しみが渦巻く屋敷の中で、やがて物語は殺人事件の発生する“ゼロ時間”へと至る。心に傷を抱えるリーチ警部が捜査に当たるが、彼にもまた新たな“ゼロ時間”が迫っていた……。