和製・チャップリン再び!!
日本でいまだかつて確立されなかったサイレント・ムービーの降臨!!日本から世界へ!!
2008年『シルエット』で恋することで仾変した男と一途に愛を貫いた女を描き、2012年『ボレロ』では成功を機に天狗になった男とそれを支え続けた女を描いた。映画作りの手法をサイレントに主軸を置いている田島基博。
俳優のエチュードで物語を紡いでいく画期的な演出法で登場人物のリアルさをあぶりだすのに定評がある。
聞こえないセリフに耳を傾け、白黒の画面に色を想像していくと次々と物語が広がっていく。
だから等身大の登場人物を身近な存在として捉えて強く共感し、物語にのめり込んでいく。それこそが田島が仕掛けたサイレントワールドの魅力。それは最新作『ディヴォート』でも存分に味わうことができる。
今作で田島監督が描いたのは「一途な男と運命に翻弄される女」と「体やお金を捧げることが愛だと思っている人間の成れの果て」。誰しもが行っている行為を別の視点から捉えたときに見えてくる欺瞞や偽善。このテーマをあえてサイレントで描くことにより、人間の性をあぶり出した作品として完成した。
一途な男ナツオを映画やドラマに多数出演の片山享。運命に翻弄される女ハルをグラビアアイドルを経て、映画やドラマに活躍の場を広げた木嶋のりこが演じる。その他、借金まみれのハルの父親を演じる名バイプレイヤー菅原 大吉をはじめ、豪華なキャスティングが実現した。また、劇中に出てくる漫画原稿を「週刊少年サンデー」で連載していた『今際の国のアリス』の麻生羽呂、『戦国八咫烏』の小林裕和が作成。CG、3D全盛の時代にあえてサイレント映画の可能性を追求し続ける田島作品の挑戦がまた始まる。