上越線急行列車の車掌である上田新作。平凡ではあるが、妻と娘とともに幸せな毎日を送っていた。そんなある日、先輩車掌の野々宮とともに、上越線の急行列車に乗務中、幼なじみの坂本美和子とバッタリ遭遇。小さい頃から憧れていた美和子は、今なお美しく、新作は何かにつけて話しかけるが、美和子の表情はどこか寂しげだった。その夜、新潟の街に遊びに出た新作は、そこで芸者姿の美和子を発見。酔客にからまれていた美和子を助けた新作は、親切にも彼女の家まで送り届けるが、そこでお色気話とは無縁の彼女の不幸な身の上話を聞かされる。新潟地震で両親を失い、唯一の肉親である弟・研吉は東京で行方不明。美和子は、生活のために芸者になったという。そんな彼女のために何かをしてあげたいと痛切に感じた新作は、研吉を見つけだすことを決意。東京に戻ると早速、研吉探しに奔走するが、なぜか妻の幸江が浮気していると誤解して、事態はあらぬ方向へ――!